成長企業の経営戦略
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「中小企業の生産技術」を目指す――ニデック大豊機工が挑む、ものづくりインテグレータへの進化
ニデック大豊機工株式会社
掲載企業ニデック大豊機工株式会社
工作機械メーカーOKK(現・ニデックオーケーケー)の製造を長年支えてきたニデック大豊機工株式会社。精密組立技術を強みに、同社はこれまで工作機械の組み立てやユニット製作を担い、高い品質を支えてきた。
その一方で、今、大豊機工は新たな挑戦を始めている。目指すのは、単なる組立メーカーではない。「中小企業の生産技術」として、お客様のアイデアや構想を装置や設備という「形」にする存在である。
工作機械の組立で培った高精度な精密組立技術
同社は、もともと水道事業と並行して、OKKの工作機械の組み立てを担ってきた。ニデックグループ入りを機に水道事業を譲渡し、現在は工作機械事業へと経営資源を集中している。VMシリーズをはじめとした工作機械の組み立てを担当し、高精度な組立技術を磨き続けている。
工作機械の組み立てでは、多数の部品を図面通りに組み上げるだけではなく、最終的な精度や品質まで作り込む技術が求められる。同社は長年にわたり、この精密組立を担うことで技術力を培ってきた。

精密組立技術を活かし、半導体製造装置・産業機械市場へ
しかし、同社は現状に満足しているわけではない。これまで事業の多くをOKK関連が占めてきたが、将来を見据えれば、親会社だけに依存した事業構造では安定した成長は難しい。そこで新たな柱として掲げたのが、工作機械以外の分野への展開である。狙うのは半導体製造装置や各種産業機械、自動化設備など、精密組立技術が活かせる市場だ。図面がある製品であれば、ユニットから完成品まで組み上げる技術には自信があるという。

加工会社のアイデアを自動化設備・専用装置として形に
同社が目指しているのは、単なる受託組立ではない。製造現場には、「こんな装置があればもっと効率化できる」「この工程を自動化したい」というアイデアを持つ企業が数多く存在する。しかし、それを実際の設備や装置として形にできる企業は決して多くない。

「加工会社さんは、たくさんのアイデアを持っています。でも、それを形にできないことが多い。だから、そのアイデアを形にする会社になりたい。」
この言葉に、同社が目指す姿が凝縮されている。例えば、複数の工作機械をロボットでつなぎたい、工程の一部だけ自動化したい、専用治具を製作したい――。
そうした構想があれば、同社はその内容を具体化し、必要な治具やハンド、専用装置などを設計・製作・組立し、生産技術の立ち上げまで支援していくことを目指している。
大規模な自動化設備だけではなく、「半自動で十分」「一部だけ改善したい」といった現場目線の改善提案にも対応したいという考えだ。長年、生産現場で改善活動に携わってきた経験が、その提案力の源泉となっている。

中小製造業の生産技術を支える伴走型パートナーへ
大手メーカーには、生産技術部門がある。しかし、多くの中小製造業には、生産技術専門とする担当者を置くことが難しい。だからこそ、同社は「中小企業の生産技術」になりたいと語る。

現場の困りごとを聞き、改善案を考え、必要な設備や治具を製作し、実際に現場へ導入する。その一連の役割を担う存在になりたいというのである。
これは単なる装置製作ではない。ものづくり企業のパートナーとして、顧客とともに課題を考え、解決へと導く。その伴走型の支援こそが、同社が描く新たなビジネスモデルである。
設計から組立・立ち上げまで担う「ものづくりインテグレータ」
将来的には、提案・設計・調達・組立・立ち上げまでを一貫して担う「ものづくりインテグレータ」への進化を目指している。設計会社や加工会社、商社、販売店などとも連携しながら、それぞれの強みを組み合わせて最適なものづくりを実現する構想だ。
さらに、経験を積み重ねた先には、自社オリジナル装置の開発も視野に入れている。工作機械づくりで培った精密組立技術を基盤に、新たな価値を生み出す企業へ。ニデック大豊機工の挑戦は、まだ始まったばかりである。

