業界特集
株式会社ブンリ
掲載企業株式会社ブンリ
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主要3品目
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工作機械用クーラント装置の開発 販売
株式会社ブンリは、「生産現場の環境改善」をコンセプトに製品作りを行う、クーラント濾過装置の専門メーカーだ。創業66周年を迎える今年のJIMTOFでは、環境改善を軸に「人手不足への対応」「クーラント寿命延長」などのテーマを盛り込んだ新製品を複数展示する。
BT30の小型マシニングセンタに特化した、チップコンベヤの新製品
―人手不足・廃棄物削減の時代に合わせ、多面化する課題に対応
「ミニコン30 CAL」は、#30クラスの小型マシニングセンタ向けのチップコンベヤだ。メーカー標準の網カゴクーラントタンクに設置可能な同製品は、コンベヤ内のパンチングフィルターが切粉を捉え、液切りした状態で排出する。フィルターが掻き板と接触しながら回転することで常にクリーニングされるため、フィルター清掃の手間がかからず、定期的なフィルター交換も不要な点が大きなポイントだ。同社製品は主に「磁性体向け」「非磁性体向け」の2つに大別されるが、この「ミニコン30 CAL」はどちらの材質にも対応している。
#30のマシニングセンタは複数台がまとめて導入され、24時間稼働の自動化ラインに使われることも多い。このような自動化ラインが安定して稼働し性能を発揮するためには、工作機械だけでなく周辺機器部分の作り込みも欠かせない(自動化ラインでの同社製品の導入事例はこちら)。同製品は、こうしたニーズに対応するものだ。実際に、「ラインを自動化しているのに、タンクが網カゴのままでは自動化とは言えない」とすでに複数台まとめて注文した顧客もいるという。
このほかの新製品には、掃除機の要領でタンク内の切粉を吸い取る「タンククリーナー TC」や、オイルスキマーにタイマー運転を付加するオプションなどが並ぶ。いずれも工場内の環境改善を軸に、省力化や省エネ、クーラントの長寿命化などを目指した製品だ。

こうした製品を送り出す背景には、ユーザーから持ち込まれる課題の多面化がある。従来は「切粉が取れるかどうか」といった、1次元的なカタログスペックが重視されがちだった。しかし昨今の製造業を取り巻く人手不足やコスト高騰の中で、濾過精度は廃液・廃棄物削減に、液切り性能は切粉リサイクルに、そして環境改善性能は人材確保に直結する要素になった。このように課題が複雑に絡み合う中で、「切粉が取れる」の先にある性能に注力するのが、同社のものづくりのスタイルなのだ。
営業は“クーラント装置のコンシェルジュ”
―現場で拾った課題を、工作機械メーカーとの協業で製品に
では、製品づくりの原点となる課題はどのように収集するのだろうか。要となるのが、営業マンだ。同社では営業マンを「クーラント装置のコンシェルジュ」と捉え、単なる提案・販売だけでなく製品のサービスまで対応できる人材に育てている。製品の点検や不具合時の対処といったアフターサービスを実直に行うことで、それがやがて課題のヒアリングや置き換え製品の提案、つまりビフォーサービスへとつながっていく。アフターとビフォー、二つのサービスを通じて顧客から信頼を寄せられる「パートナー」となり、そこで集めた課題を新たな製品に落とし込むのが同社の営業スタイルなのだ。
若手の育成にも力を入れている。「『タンクにスラッジ(切粉の残留物)が溜まるのはあくまで現象。ポンプがスラッジを吸い込む、清掃が大変といったその先にある課題を掴みましょう』というのをよく若手に言っています」とベテラン営業の高原氏。現場目線のOJTを通じて、背景、目的、課題、分析で分けて提案できるセンスと判断力を磨いていくのが、同社流の営業の育て方だ。ニュートラルな姿勢で顧客と向き合うために、あえて営業ノルマは設けていないという。
集めた課題を確実に製品に落とし込むために、工作機械メーカーとの協業にも力を入れる。「例えば工作機械メーカーさんとしてはベッドの高さを低く抑えたいと思いますが、クーラント処理側としてはなるべく高さがほしい。こういう条件をどう擦り合わせて、ユーザーさんが本当に求めているものに近づけるか。この部分を追求するには、設計初期段階からの参画が必要だと考えています」と代表取締役の田代氏。ユーザー目線での設計を訴求することでマシンメーカーからも信頼を勝ち取り、標準品や準オプション品の立ち位置に食い込むことを目指しているという。
すでにメーカーオプションとして採用されているケースもある。代表例が同社の看板製品「マグネティックセパレーター フェニックス NEO」だ。磁性体に特化したこの製品は、工作機械本体と同じライフサイクルを目指し、摩耗が起こりやすいチェーン・スプロケットを本体フレーム外部に移動させた。こうした工夫が評価され、同シリーズはすでに複数社の研削盤やマシニングセンタとのセット販売がされている。JIMTOF2026でも大手メーカーのマシンに載った状態で展示される予定だ。(フェニックス NEOの詳細はこちら)
切削から研削まで対応の“総合力”を活かし、全方位営業を展開
―樹脂・セラミックスへの対応や、海外現地生産も
これまでの例からもわかるように、同社の販売戦略は、対ユーザー、対メーカーの2つのチャネルを軸に進める「全方位型」営業だ。「うちと関わりあるところが全てWin-Winの関係になればと思っています。綺麗事のように聞こえますが、それをやらないと長い関係性は作れませんので」と田代氏。ユーザー、マシンメーカーだけでなく加工の発注者側にもクーラント濾過装置の重要性を訴求し、より幅広い関係性の構築を目指しているという。
同社を取り巻く市場動向も大きく変化している。中京地区を中心とした自動車産業からの需要が伸び悩む一方で、東日本が好調だ。関東甲信地区の半導体製造装置向け部品加工メーカーをはじめとして、トラック・建機部品メーカー化などからの注文も多く入っている。「ユーザーの新アイテム用設備だけではなく、40年、50年と使ってきた設備を、工作機械ごと老朽更新するケースもあります」と高原氏。同社の競争力でもある「鉄・非鉄」「初期工程(切削)〜最終工程(研削)」の幅広い製品ラインナップ、いわば手持ちの“カード”の多さが活かされている形だ。特に老朽置き換えの場合は、既存設備と同じフットプリントが求められる。このため、前述のマシンメーカーとの協業や、ユーザー・メーカー双方の落とし所を反映した設計といった同社のものづくり思想も、より重要度を増しているという。

今後について、田代氏は「新興国の追い上げもあり、日本のものづくりは付加価値をどうつけるかの勝負になっています。高付加価値のワークほど最終工程での不良が大きな損失になる。何を加工しているかで、クーラントに対する認識も変わってきます」と語る。近年では樹脂やセラミックスといった素材の需要も出始めているといい、金属と異なる物性を持つこれらの素材に対しても適切な濾過ができるよう、化学の知見なども深めているという。また新興国での加工需要にも対応するため、タイ拠点を中心にインドとも連携し、現地一部生産などの体制を構築している最中だ。
課題を持ち込めば、応えられる製品と、優れた判断力の営業マンたちがいる。JIMTOFの来場者に向けて田代氏は最後にこう語る。「まずは相談だけでもしていただければ。もし今の製品でお応えできなくても、必ず努力していきます」
切削〜研削のオールラウンドに対応した総合力が強みの、株式会社ブンリ。困りごとに合った「切り札」がきっと見つかるはずだ。
