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切粉の残留、タンクがすぐ汚れる――工作機械の“濾過課題”をどう解決する? 株式会社ブンリが提案する省人化・現場の最適化
掲載企業株式会社ブンリ
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主要3品目
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工作機械用クーラント装置の開発 販売
加工現場では今、「加工機そのもの」だけでなく、“周辺設備”の性能が生産性を左右する時代に入っている。
特に、切削加工や研削加工で発生する切粉・スラッジ処理は、多くの工場で慢性的な課題となっている。
・タンク内にヘドロ状の切粉が堆積する
・フィルター交換や清掃作業に人手がかかる
・微細スラッジが除去できず加工品質が安定しない
・泡トラブルでクーラントが溢れる
・工作機械停止による生産ロスが発生する
こうした現場課題に対し、フィルターエレメント交換を不要とする独自の濾過技術とマグネット技術”で解決策を提案しているのが、切粉処理・濾過装置の専業メーカー 株式会社ブンリだ。
今回は、同社の技術思想と現場改善の取り組みについて取材した。
目次
1. なぜ今、“濾過工程”が重要なのか
工作機械の高性能化が進む一方で、加工現場では“クーラント濾過”の重要性が高まっている。
特に鋳物部品の切削加工や研削加工では、微細な切粉やスラッジが大量に発生する。これらを適切に除去することで、
・加工精度の安定化
・工具寿命の延命
・設備トラブル低減
・クーラント長寿命化
・安定稼働
につながる。
さらに近年は、人手不足や自動化ニーズの高まりから、「メンテナンス負荷を減らせる設備」が求められるようになってきた。
単に“濾過する”だけでなく、“人が付きっきりにならない設備”が重要視されているのである。
2. 現場課題① タンク内に切粉・ヘドロが溜まる
鋳物部品の切削加工現場では、微細な切粉がクーラントとともに流出し、タンク内部へ堆積するケースが多い。
一般的なコンベアでは、大きな切粉は搬送できても、細かなスラッジはすり抜けてしまうためだ。結果として、タンク内部にヘドロ状の堆積物が溜まり、定期清掃が必要になる。
ブンリのコンベアには、コンベア内部へ強力マグネットドラムを内蔵する製品がある。クーラントがタンクへ排出される際、必ずマグネット近傍を通過する構造にすることで、細かい鉄系スラッジを吸着し、外へ逃がさない仕組みを構築している。
さらに近年は、タンク内をシャワーリングしながら循環させる新機構も開発。タンク内部へスラッジを“溜めない”思想へ進化している。
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3. 現場課題② 微細スラッジが除去できない
加工内容が微細になるほど、発生するスラッジも小さくなる。
特に精密加工では、通常コンベアや粗いメッシュではスラッジが除去しきれず、加工液へ残留しやすい。
ブンリでは、鉄など磁性をもつ「磁性体」のスラッジの回収にはマグネットでの濾過を採用している
マグネット強度や構造を用途別に最適化し、マグネットの“強弱”を調整しながら、吸着と剥離を両立させている。
また、アルミなど非鉄金属の濾過が必要なケースでは、ローリングフィルターを採用。
・パンチング仕様
・約200ミクロン濾過から約20ミクロン濾過まで対応
といった高精度濾過を、単体装置で実現している。
通常、20ミクロンレベルの濾過には複数装置を組み合わせるケースも多い。しかし同社では、1ユニットで実現できる点が強みだという。

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4. 現場課題③ フィルター清掃に人手がかかる
従来の濾過設備では、紙フィルターや布フィルターを定期交換する必要があった。 しかし、人手不足が進む現場では、この“フィルター交換のための工数”が大きな負担となっている。
そこでブンリが掲げるのが、フィルターエレメント交換不要による、メンテナンスの工数削減である。 同社の装置では、消耗品フィルターではなく剛性の高いフィルターやマグネットを採用し、精度の高い濾過を実現。フィルター交換やタンク清掃の頻度を大幅に削減し、さらにランニングコスト低減にもつながる。 「人が掃除する設備」から、「人の手間を削減する設備」へ。その発想転換が、現場改善につながっている。

5. 現場課題④ 泡トラブルで設備停止
高性能濾過を行うと、別の課題も発生する。その代表例が“泡”である。
従来型サイクロンフィルターでは、液体と空気が混ざることで泡が発生しやすく、タンク溢れなどのトラブルにつながっていた。
この問題に対し、ブンリは独自の「気液分離管」を開発。
液体と気体を混合させない構造により、泡発生を抑制した。実機比較でも、従来機と比べ泡量が大きく改善されているという。
単に“濾過する”だけではなく、“現場で困らない”ところまで考え抜かれている点が特徴だ。
6. ブンリが提案する「現場の手間を減らす」ための技術発想
ブンリの技術思想は、一貫している。それは、「現場の手間を減らす」ということだ。
例えば同社のマグネットスクリューコンベアでは、磁石配置を工夫することで、切粉をらせん状に搬送。狭いスペースでも高効率搬送を可能にしている。
また、浮上油回収装置では、
・液面制御で油を逃がさない
・回収時の飛散防止
・プロペラによる回収効率向上
など、現場視点の工夫を積み重ねている。
どの製品にも共通しているのは、“加工現場の困りごと”から発想している点である。

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7. 専用設計だから実現できる現場最適化と高効率運用
同社製品は、用途特化型である点も特徴だ。例えば鋳物部品の切削加工向けでは、鋳物特有の細かいスラッジ除去へ最適化。一方で、長いカール状のスラッジが出る旋盤加工などには、切粉の搬送に比重を置いた製品を推奨する。
つまり、“万能機”ではなく、“現場に最適な構成”を重視している。
また、FANUCのロボドリルやブラザー工業向けには、後付け可能な専用パッケージも展開。工作機械メーカー営業とも連携し、迅速提案できる体制を構築している。
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8. “止まらない工場”を支える周辺設備へ
加工機の性能差だけでは、生産性は決まらない。
むしろ今後は、
・切粉をどう処理するか
・クーラントをどう清浄に維持するか
・人手をどう減らすか
といった“周辺工程”こそが、工場全体の競争力を左右していく。
ブンリが提案するフィルターレス(フィルターのエレメント交換不要)は、単なる省コスト化ではない。
それは、「止まらない工場」を実現するためのインフラづくりそのものだ。
自動化・無人化が進む時代だからこそ、濾過工程の進化が、製造現場の未来を大きく変えようとしている。

9. 環境配慮と持続可能なものづくりへ
ブンリの濾過技術は、環境負荷低減という側面でも注目されている。
従来の紙フィルターや布フィルターを大量に使用する方式では、交換後のフィルターが産業廃棄物として発生する。さらに、クーラントの劣化による交換頻度増加も、廃液処理コストや環境負荷につながっていた。
同社の濾過システムは、フィルターエレメントの交換を必要としない構造を採用している点が大きな特徴だ。これにより、フィルター交換作業の負担軽減はもちろん、使用済みフィルターの廃棄量削減にも貢献している。
また、微細スラッジや浮上油を効率よく除去することで、クーラント液の長寿命化にも貢献。液交換頻度を減らすことで、使用液量や廃液量の削減にもつながっている。
近年、製造業ではCO₂削減や廃棄物削減への取り組みがますます重要視されている。
ブンリの技術は、単なる切粉処理・濾過設備ではなく、「環境配慮型の工場運営」を支えるインフラとして、その存在感を高めている。
