業界特集

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ガラス製マイクロレンズアレイを金型で量産化に成功

ガラス製マイクロレンズアレイを金型で量産化に成功

株式会社ワークス(福岡県遠賀郡)

掲載企業株式会社ワークス

主要3品目
  • ガラスレンズ金型

  • 小径ノズルの製造

  • 超精密ナノメーター加工製品

従業員数

59 人

年間売上高
10 億円

 「技術開発型の会社を目指し、新しい加工を極めることを目指しています」。

 株式会社ワークスの代表取締役にして創業者の三重野計滋氏は語る。ワークスは福岡県にある精密微細部品の加工を得意とする会社だ。近隣には半導体を扱うメーカーが多く、もともと同社も半導体関連の金型を製造するメーカーであった。だが半導体は常にアジア各国との競争があり、日本のものづくりとして差別化していくためには従来の技術のままでは難しいと判断。下請けではなく大手メーカーと対等な立場で仕事をしていくために必要なのは、技術力や製品品質でリードする実力だ。三重野氏は補助金を利用し、“他にはない尖った設備”を導入して経営革新を行ったのだ。

 ガラスレンズ金型を製造するための設備を持つ中小企業はほとんどない。ガラスレンズ金型は高温で焼成するなど過酷な条件で使用されるため、精密性だけでなく超硬合金などの難削材加工技術が求められるのだ。レンズ製品の品質要求がどんどん上がっている中で、従来の熟練工による磨き加工では課題も多い。そこで同社ではダイヤモンド工具を自社開発し、磨きレス加工を実現した。さらに±0.03℃の温度管理環境下に置かれた5軸制御ナノレーザ加工機による超精密加工など他社を圧倒する設備を誇る。こうした技術はガラスレンズ金型だけでなく、精密セラミック加工や金属加工など、さまざまな分野に活用され、強みとなっている。

 また、同社は多くの大学と研究開発を行っており、その技術開発力を頼り大手メーカーが開発案件を依頼している。営業活動の4割ほどは研究案件だが、三重野氏はあくまで量産にはこだわっていないという。研究案件を引き受けることで、業界の次なる方向性やトレンドが見えてくる。技術者の困りごとを解決することで、次の案件に繋がるというサイクルが回っている。展示会でも同社の開発成果は目を引き、重要な営業ツールともなっているのだ。

 022年、同社は従来金型では製造できなかったマイクロレンズアレイを、自社研究の技術で金型での量産化に成功。

 金型だけでなく製品販売も開始した。学会発表、展示会でも非常に大きな反響を得ており、これから同社の柱となっていく可能性を秘めている。「弱体化・空洞化してしまった大手企業があるなか、中小企業には未来があると思っています。これからは中小企業の時代ですよ」。三重野氏の言葉には、技術に裏打ちされた力がある。

世界初の超硬合金製マイクロレンズアレイ金型
マイクロレンズアレイ金型によって
高品質なガラス製MLAの大量生産が可能に

製品情報

  • 超硬合金製碁盤と碁石(1/4スケール)

  • 高精度 サブミクロン パンチ

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