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焼ばめホルダのパイオニアが挑む穴仕上げ加工の革新!「ミルボア」で切削工具を取り巻く課題も、中ぐり加工の常識も変える――株式会社MSTコーポレーション 

焼ばめホルダのパイオニアが挑む穴仕上げ加工の革新!「ミルボア」で切削工具を取り巻く課題も、中ぐり加工の常識も変える――株式会社MSTコーポレーション 

株式会社MSTコーポレーション

掲載企業株式会社MSTコーポレーション

主要3品目
  • スリムライン

  • アングルヘッド

  • グラファイト電極

老舗ツールホルダメーカが提案する焼ばめホルダ
微細・精密分野で高いシェアを誇る 

株式会社MSTコーポレーションは日本で最も古いツールホルダメーカだ。創業は1937年、当時日本の鉄鋼・重工業で栄えた九州で生まれた同社は、戦後のころからツールホルダ専業メーカとして日本の製造業を支え続けている。 

MSTを代表する製品が、1998年に発売された焼ばめホルダ「スリムライン」だ。通常のコレットチャックは、人の手でナットを締める必要があるため、作業者に知識と経験が必要だ。だが焼ばめホルダは、金属の熱膨張を利用して工具を直接チャッキングする。締め付け作業のばらつきがないため、誰が、いつ、作業しても安定した振れ精度が得られる。何度繰り返しても締め加減に依存しない。さらに締め付けるための部品がないため、外径をスリムにでき、ワークとの干渉を避け工具の突出し長さを最短に設定できる。従来は長く突き出さなくてはいけなかった工具を短くできることで、たわみを抑制し精度の向上が期待できるのだ。これは工具の長寿命化にもつながる大きなメリットである。 

実際に半導体関連装置、医療機器などの微細・精密加工現場では焼ばめホルダのシェアは高い。取締役営業部長 吉田 圭志氏は言う。「微細な領域になればなるほど、要求されていくのが精度です。焼ばめホルダは高速回転にも対応できますし、振れ精度がいい。微細加工に使用されるドリルは非常に繊細で、すぐにポンと折れてしまいますし、振れているホルダと振れていないホルダでは加工できる穴数が全く違ってきます。半導体の製造装置や検査装置でも、微細な穴加工はたくさんありますが、そのような分野では特に焼ばめホルダを数多く使用していただいていると言っていいと思います」振れ精度の評価は非常に高く、多くの実績を積んでいるのだ。 

焼ばめホルダを使用するためには、専用の加熱装置が必要となる。また、焼ばめホルダの強みを生かすためには、切削工具を短くつかむなどの工夫が必要だ。発売当時は、こうした導入時のハードルが、加工現場にはなかなか受け入れられず、製品の普及までには苦労も絶えなかったと言う。だが焼ばめホルダを発売して28年目、最近特に問い合わせが増えている。1つには人手不足、そして自動化需要だ。スキルレスで切削工具を取り付けられる焼ばめホルダは、誰でも安定して高精度にセットすることができる。繊細な締め付け作業を必要としないということは、ロボットを使用した自動化にも対応できるということだ。実際に顧客では焼ばめの自動化設備を開発した例もあり、JIMTOF2026では新商品の自動焼ばめ装置も展示される。 

焼ばめホルダ×ヘリカル加工 
中ぐり加工の課題に抜本的な解決を

タングステン問題などによる切削工具費の高騰化を受け、工具費を抑えたいというニーズにも、焼ばめホルダは合致している。切削工具をより短くできるということは、それだけ工具費を抑えられるのだ。切削工具の長寿命化もコスト削減に貢献している。そして注目を集めているのが、前回のJIMTOF2024で発表され、JIMTOF2026ではより進化した中ぐり加工用焼ばめホルダ「ミルボア」だ。ミルボアは、「スリムライン」と高剛性な超硬エクステンションアーバを組み合わせた工具ホルダで、ミーリングカッタをらせん状に動かす「ヘリカル加工」を行うことで、高性能な穴仕上げ加工を実現する。

従来の中ぐり加工では、穴径に応じた太さのボーリングヘッドを用いる。サイズに応じたホルダの本数が必要で費用も高くなる。そして、加工径を手作業で調整し、削っては測定を繰り返して指定の穴径を目指す。さらに同じボーリングヘッドは、1枚の刃による加工のため、インサートチップの刃先が摩耗し加工径がどんどん小さくなる。そのために、微調整が必要になる。さまざまなサイズの穴加工をする現場では段取り時間が非常に多くなってしまうのだ。大量生産ラインならば従来のボーリング加工でも問題ないが、多品種少量生産が増えている現在の現場では、マシニングセンタで連続加工をしようとしても、ボーリング加工がある場合は自動化が難しい、など課題が多くなっていたのだ。 

MSTが「抜本的な解決方法」として提案するミルボアは、中仕上げと仕上げを同一の加工条件で2回行い、1回目の実加工径を測定したうえで、逃げ分を補正して2回目を加工することで狙い径に近付ける。現在の工作機械にはタッチプロープが多く搭載されているが、活用しきれていない現場も少なくない。タッチプローブによる機上測定の結果に対して補正量を自動的に算出し、補正値を書き換える事で自動化が可能となるのだ。サイズの異なる穴でも1本のホルダで対応できるため、管理もしやすく経済的だ。切りくずを小さくすることで詰まりを防ぎ自動化の課題であった切りくずトラブルが回避できる。単体の加工時間は従来のボーリング加工よりは遅くなるものの、段取り替えや測定・微調整などに掛かっていた時間は短くなり、トータル時間を短縮することができる。その上、穴の表面粗さ・真円度・円筒度など、ボーリングヘッド以上の高精度を実現できるという、まさに革命的なソリューションなのだ。 

工作機械の好況を受け、ホルダも好調 

工作機械市場と連動するものの、やや遅れて影響を受けるというツールホルダ業界は、現在工作機械市場の好況にけん引され好調だ。工作機械ほどの急激な伸びではないが、世界的な投資意欲の高さに伴い受注も上向きだという。MSTは全体売り上げの半分は海外市場となっており、特に中華圏やアジアに強い。焼ばめの元祖であるヨーロッパ市場などで戦っていく上では製品の性能だけでなく、サービス・品質保証を含む総合力で訴求していきたいという。半導体や医療など、精度を要求される業界で広く活用されている一方で、業界は絞らず、より多くの分野に広げていきたい考えだ。 

ホルダの特徴や魅力は、なかなかカタログだけでは伝えきれない。JIMTOF2026でも工作機械を4台持ち込んで加工実演するほか、Youtubeも活用して動画を配信している。加工精度や効率を追求しようと考えたとき、ホルダをフックに加工方法そのものを見直すことが、ブレイクスルーになるかもしれない。実際に動いている様子を、ぜひその目で確認してほしい。 

製品情報

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