業界特集
スーパーレジン工業株式会社
掲載企業スーパーレジン工業株式会社
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主要3品目
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宇宙関連部品
産業機器関連部品
レドームなどの電波応用関連部品
創業70年目前の老舗FRPメーカー
独創的で巨大なモニュメントも実現する提案力
創業は1957年。創業70年に迫るスーパーレジン工業株式会社は、創業当時からFRP専業メーカーとして、日本の経済成長、そして技術の発展と共に成長を続けている。通常の方法では実現できないという領域に、製造プロセス開発や材料開発から踏み込んで実現する。「カスタマイゼーションで社会に貢献する」という姿勢を、創業当時から現在まで貫き続けている。1970年の大阪万博のシンボルである太陽の塔の顔にも同社のGFRPが使用されている。天才芸術家岡本太郎氏の奇想天外なアイディアを、同社の技術力によって、しかも開発期間1年弱という比較的短時間で実現させたのだ。
2022年には隈研吾氏デザインのモニュメントを製造。金属でも通常のCFRPでも難しい構造を実現している。VaRTM成形(真空樹脂含侵成形)に挑戦しつつ、日本の伝統的な組紐の技術を応用させた全く新しい製造プロセスを開発したのだ。こうしたチャレンジングな社風と両立させた研究開発力と提案力、そして確かな製造技術が同社の強みなのだ。
人工衛星の6割に採用されるCFRPとアルミハニカムのサンドイッチ構造体
スーパーレジン工業株式会社と言えば、宇宙航空産業だ。売上比率にしておよそ30%は宇宙関連、さらに地球側の受け手側としてのレドームといった電波応用関連も30%ほどを占める。残る40%は産業機器関連などとなっており、まさにスーパーレジン工業と言えば宇宙、そして電波応用なのだ。近隣にJAXAなどが近いという地理的要因もあり、人工衛星の黎明期から同社は構造体の製造を担当し続けている。はやぶさ2を始め日本の人工衛星に使用されるサブスレート太陽電池セルを乗せる土台部分)などで衛星の6割以上に同社が製造した製品が用いられているという。人工衛星の構造体には、軽量・高剛性が求められる。そこで採用されているのが、CFRPとアルミハニカムのサンドイッチ構造だ。外板にCFRPを用いることで、アルミ単体よりも表面の剛性が強くなる。カーボンは低熱膨張性のため寸法安定性に優れ、外板に適しているという。

人工衛星のプロジェクトでは、おおむねプロジェクトは3機製造される。すなわち、物性評価を行うEM(エンジニアリングモデル)、振動試験などの環境試験を行ったり、実機として打ち上げられるPFM(プロトフライドトモデル)、そして本番機であるFM(フライトモデル)だ。各段階において、改善点や修正点などのフィードバックに細かく対応する必要があり、まさに全て一品一様の特注品なのだ。同社にはこれまでの経験やノウハウが蓄積されていることが強み。宇宙・航空分野において、同社の果たす役割は大きいのだ。
プロセス開発と樹脂開発で実現するカスタマリーゼーション
スーパーレジン工業株式会社では構造計算、構造解析だけでなく、樹脂開発、そして製造プロセス開発を行うことができる。現在では少量多品種生産がメインではあるが、大量生産を目的として短サイクル・自動化・量産化成形技術としてHTC(High Throughput Composite)成形技術を開発したこともある。必要であれば製造プロセス開発と素材開発を組み合わせ、最適な方法を取ることができる柔軟さ、そして提案力が同社の強みなのだ。さらに評価・検査方法も工夫しており、厳しい品質保証体制を整えていることが、ミスの許されない宇宙航空分野において同社が評価され続けている理由でもある。
さらに同社は、電波解析も行うことができる。レーダーを覆うレドームは電波を効率的に透過させなくてはならない。構造解析から電波解析まで含め国内で一貫して設計から対応できる企業は数少ない。ただ図面の通り作るだけではなく、より顧客要求を満たすために、設計から解析、プロセス開発さらに材料開発まで含め、開発の中に入り込んで支援する。それが同社のカスタマイゼーションなのだ。
小回りの利く樹脂開発力が強み
エポキシ樹脂発泡化技術で更なる付加価値を
樹脂開発分野では、大手材料メーカーでは難しい小回りの利く開発力が強みだ。FRPは、炭素繊維やガラス繊維などの強化繊維に樹脂を含浸・硬化させた複合材料である。樹脂の1つとしてエポキシ樹脂が用いられるが、耐熱性や難燃性など求められる機能を付与することで、より顧客要求に合った素材開発を行っている。
さらに現在注目されているのが発泡化技術だ。FRPは軽量化を求められることが多い。だがハニカム構造などは複雑な3D形状を再現することは難しい。通常の発泡ウレタンなどを削り出すにはコストもかかる。そこで同社は、FRPにも用いられているエポキシ樹脂自体を発泡させ、より軽く薄く、求められる形状を再現することに成功した。CFRPとサンドイッチすることで、軽さと剛性を融合させることができるのだ。同じ素材同士を組み合わせることで、接着剤も不要で一体成形が可能。この技術はドローンなどでもすでに採用されている。

同社が開発したエポキシフォーム(エポキシ樹脂発泡体)とCFRPを組み合わせた新世代軽量パイプ Kaleidφ(カレイド)は、従来のカーボンパイプよりも圧縮剛性比は1.8倍、そして約1/2の軽量化を実現。天体望遠鏡に用いられ、上市されている。今後さらに用途開発してきたい考えだ。
FRPも環境配慮と無関係ではいられないという考えから、現在ではスギ由来のバイオ樹脂であるリグニンを用いたエポキシ樹脂を開発した。「カスタマイゼーションで社会に貢献していきたいというのが当社のフィロソフィ。当社はいい意味で真面目で責任感の強い社員が多く、そういう実直さに支えられている企業です。現代の社会課題である人手不足や環境問題をFRPの軽さと強さを生かして解決していく方法を見つけていければと考えています」。

