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小型モータとメカ設計の組み合わせで、緻密な制御を実現したアクチュエータ | ニデックプレシジョンがRCモジュールで狙う、世界のロボット市場 

小型モータとメカ設計の組み合わせで、緻密な制御を実現したアクチュエータ | ニデックプレシジョンがRCモジュールで狙う、世界のロボット市場 

ニデックプレシジョン株式会社

掲載企業ニデックプレシジョン株式会社

主要3品目
  • カメラ

  • シャッタ

  • モータ

光学・小型モータ・精密機械加工の3つが1社に 
─小型なものを速く細かく、そして精度よく動かす技術 

ニデックグループの一員であるニデックプレシジョン株式会社は、光学機器と小型精密モータに強みを持つメーカーだ。カメラ用シャッタ専業として創業したコパルを前身に持ち、創業以来、光学機器分野の技術に強みを持つ。現在では光学機器から派生したPCカメラ用プライバシーシャッタやモビリティ向け光学機器、さらには一眼カメラ向け交換レンズの鏡筒加工なども行なっており、時代のニーズに応じた多彩なアイテムを手がける。 

そして、同社のもう一つの強みが「小型精密モータ」だ。カメラシャッタはモータとメカ部品の組み合わせであることから、長年のカメラシャッタ事業を通じてモータ技術も磨かれてきた。「我々はカメラ部品を軸に、小型モータ技術と精密メカ部品、そして光学設計を突き詰めてきました。この3つの知見が1つの社内にあることで、アクチュエータなどのモジュールを自社で一貫して作れるのが強みです」と同社担当者。モータ専業やメカ専業といった競合は多いが、それらを一貫して1つの会社で対応できる会社は少ない。「モータとメカ部品のそれぞれを、どれだけのウェイト・機能で開発するか」という設計上のバランスを意識した製品開発ができる点は、ニデックプレシジョンの大きな強みといえよう。 

これらの技術を活かし、同社では小型モータとそれを活用したモジュール製品をさまざま展開している。例えばモータとギヤやスクリューを組み合わせたギヤードモータは、医療向けの自動注射器やインスリンポンプなどの製品で活躍している。また、モータで培った電気-運動の精密変換技術を応用した製品では、携帯電話向けの振動デバイス等に用いられるLRA(Linear Resonant Actuator/線形共振アクチュエータ)(※①)などを手がける。小型・精密なものを速く細かく、そして精度よく動かす技術が同社のコアバリューなのだ。 

※①補足:LRA(直動振動アクチュエータ)は、一般的なローターが回転するモータとは異なり、直線運動によって振動を生み出すアクチュエータだ。構造は異なるものの、電流の向きや強さを緻密に制御して高速かつ精緻に動作させる点は共通している。ニデックプレシジョンでは、こうした回転型にとらわれない多様な駆動方式のアクチュエータ開発にも自社の知見を活かしている。 

「小型」かつ「高トルク」そして「低発熱・高効率」を目指して 
─コアレスモータやスロットレスブラシレスモータなどの高トルク化にも注力 

そんな小型モータの開発だが、現在同社が特に力を入れているのは「小型化」と「高トルク」の両立だ。「アクチュエータなどでは、狭いスペース内で高いトルクを出すことが求められます」と同社担当者。あらゆるデバイスに小型化が求められる昨今、市場競争を勝ち抜くには「小型かつ高トルク」はもはや絶対条件となっているのだ。 

モータのトルクは、大まかに分ければ「永久磁石の磁力」と「コイルが生み出す磁力」で決まる。永久磁石にはネオジム磁石などが用いられるが、こちらはすでに物性の限界近くまで追い込まれた製品が供給されている。そうなると、残るトルク向上要素はコイル側となる。とにかく多くの電流を流すことで解決することもできるが、バッテリー駆動が主流となった昨今、製品内部でモータが使える電流も限られる。このような中で同社が工夫を凝らすのが「コイルの巻き方」だ。 

「狭いスペース内に、いかに多くの線を巻いてコイルを作るか(≒高い占積率)が我々の開発のポイントになっています」と同社担当者は説明する。占積率を高くした独自のコイル形状を作るために、巻線の断面形状を角形のものにしたり、コイルを巻くための製造装置そのものも内製したりするなどさまざまな工夫を凝らす。同社ではFA装置事業も手がけているため、これらの受託設計で培った自動化ノウハウもモータの製造に一役買っているという。 

高い占積率実現の先に、さらに立ちはだかる問題もある。それが熱だ。「巻線が密集すると熱の逃げ場がなくなります。特に小型モータでは外部に冷却フィンを付けることができないので、モータ内部で熱を処理する必要があります」と同社の技術者。モータの中に熱をなるべく溜めないよう、コイルをはじめとしたモータ内部の部品配置にも長年の知見を注ぎ込んでいるという。 

また同社では、一般的なDCモータに比べて効率が高いとされる「コアレスモータ」や「スロットレスブラシレスモータ」にも力を入れており、モータ構造の面からも熱対策・効率向上にアプローチしている。

コアレスモータでは回転子(ロータ)に鉄心が存在しないため、熱の原因となる鉄損を理論上ゼロにすることができる。またスロットレスブラシレスモータではコイルを巻くための溝をなくすことで磁界の変化をなめらかにし、同様に鉄損を減らすことができる。

このため、コアレスモータやスロットレスブラシレスモータで高トルクを出せるようになれば、より効率の高いアクチュエータなどを作ることができるというわけだ。このように、巻線の工夫、内部形状の工夫、そしてモータそのものの構造などを総合的に突き詰めることで、小型高効率で高トルクという市場ニーズに対応しているのが、同社のモータの大きなポイントと言える。 

モータとギヤ、角度センサがワンパッケージのRCモジュールを製品化 
─メカ部品までの一貫対応力で、ロボット市場を狙う 

これらの技術開発の末に同社が狙う市場が、ロボット向けのアクチュエータだ。例えば人間の手は、わずか0.4kgほどの重さで20を超える自由度(関節)を持ち、400Nを超える把持力を発揮すると言われている。これをロボットで再現しようとすると、指や腕の中に幾つものモータを搭載する必要がある。「小型かつ高トルク」「ギヤなどのメカ機構を含めた小型モジュール化技術」の両方が求められるロボット向け市場は、特に同社の強みが多く発揮される分野なのだ。 

「20mm四方・数十g程度の筐体にモータとギヤ、角度センサなどを収めたRCモジュールを製品化しました。現状ではペットロボットなどのコンシューマー向け製品が主な採用例ですが、今後は産業用ヒューマノイドロボットなどの領域も目指したいです」と同社担当者は意気込む。前述のコアレスモータを用いると、鉄心レスで回転時の引っ掛かり(コギング)がなく、なめらかな動きが可能となる利点もある。このような形で、コアレスモータそのものも自社で開発製造したモジュールとすることで、競争が激化するロボット業界でも優位性を確保していく狙いだ。 

今後について同社担当者は「特にロボット業界では技術革新のスピードが速いため、いかに短い時間でお客様の要求性能を満たす製品を作れるかが勝負になります」と語る。例えばロボットハンド分野では、腱を模したワイヤー駆動のものや、関節に個別のモータを組み込むものなど様々な方式が次々と提案されているが、世の中の主流がどのような方式になっても対応できるよう、同社では多面的な製品開発を今後も続けていくという。 

モータ分野では日本屈指の知名度と競争力を誇るニデックグループ。その一員として、ニデックプレシジョンは今後も、「小型モータからメカ・センサまでの一貫設計」を強みに躍進を続けていくに違いない。 

製品情報

  • 携帯型薬剤投与器用 ポンプ&アラートアクチュエータ

  • 2色アルマイト

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