業界特集
株式会社鬼頭精器製作所(愛知県豊田市)
掲載企業株式会社鬼頭精器製作所
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主要3品目
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スピンドル
回転工具(ミーリングユニット)修理
ハウジング
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従業員数
50
株式会社鬼頭精器製作所は長く回転工具の生産を行っていた経験を生かし、2016年より回転工具の修理・メンテナンスサービスを行っている。数多くのメーカーの回転工具ユニットの受託加工を行ってきた同社だからこそ、日本製・海外製に関わらず全てのメーカーの製品を修理できるというのが強みだ。修理受注数は順調に伸びており、現在では日本中から修理を受け付けている。受託加工では、生産数や繁忙期を自社でコントロールすることは難しい。しかし日本には数多くの機械加工を行う工場があり、回転工具は毎日稼働している。「当社も回転工具のユーザーですが、修理のニーズは高いものの専門として行っている会社がないことに着眼し、このサービスを開始しました。当初の目標は達成しましたが、さらに受注台数を増やしていきたい。機械メーカー、商社に次ぐ第三の選択肢として、活用してもらえたら」と代表取締役社長の鬼頭明孝氏は話す。長く機械メーカーと信頼関係を築いてきたからこそ、機械メーカーや商社を通して同社に修理依頼が持ち込まれることもある。メーカーもお墨付きの技術力を誇っているのだ。今後は世界中にある日系企業の工場で稼働する回転工具の修理・メンテナンスニーズも取り込んでいきたい考えだ。
鬼頭精器製作所が得意とするのは、鬼頭氏の言によれば「工程の長い加工」だ。単純な切削加工だけではなく、十数工程にも渡る複雑で精密な工程を必要とする加工を得意としている。特にスピンドルやシャフトといった丸物加工において、旋盤、フライス、焼入れ、内外径研磨、表面加工を一貫対応している。
同社は国家技能検定1級技能者だけでなく、「卓越した技能者(現代の名工)」や「愛知県優秀技能者表彰(あいちの名工)」などの表彰を受けた熟練作業者を抱えている。技術者や設備といった全体のレベルを維持しつつ、全ての工程を熟知し、全体を統率できるスペシャリストがいるのだ。「人の力でハイレベルな部品を1つ、2つという数量で作り出すことができる。それが当社の強みです」と鬼頭氏が語るように、高付加価値の仕事を狙っていく。宇宙航空や防衛関係など、同社がマッチする業界はまだまだ広がる可能性がある。「多くのメーカーさんから必要とされ、世の中に認められる会社、そして社員が長く働きたいと思える会社にしていきたい。技術者を育てることもDX化も両方同時にやることが必要です。そのためには新しいことに挑戦するというよりは、今できること、やっていることを着実に積み重ねていきたい」。鬼頭精器製作所は全ての工程で手を抜かない。