業界特集

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リチウム電池を支える超精密プレス金型

リチウム電池を支える超精密プレス金型

昭和精工株式会社(神奈川県横浜市)

掲載企業昭和精工株式会社

主要3品目
  • 自動車部品用金型

  • 食品容器用金型

  • リチウムイオン電池用金型

従業員数

89人

年間売上高
18億円

 加工機の精度も、測定器の精度すらも超える。それが昭和精工株式会社のものづくりだ。金型を完成させても、装置が追いつかなくては良い製品は作れない。同社が製造する超精密な金型は繊細なため、装置まで含め精度が出ていなければその機能を十分に発揮することができないのだ。そこで、金型だけでなく材料のロールを巻き取ったり裁断したりといった装置まで含めて対応しているという。良い製品を作るために、客先だけでなく装置の会社まで巻き込み、量産前の打合せやすり合わせを重視している。

2024年4月に導入した型彫り放電加工機_AgieCharmilles
FORM P350 with WorkPartner

 こうした同社の誠実なものづくりに対する姿勢や高い技術力が評価され、EV自動車に使用されるリチウム電池部品の開発段階から参入している。リチウム電池関連の金型の輪郭精度は±1ミクロン。

 何重にも積層された電極箔はバリやコンタミが一切許されない。まさに超精密の加工技術だ。「精密さを保証しているのが当社の誇りでもあります。超精密分野で長く引き合いがあるのも、価値を提供できているという自負があります」と生産部部長の木田康隆氏は胸を張る。

 切削機械の技術の向上によって、デジタル制御でカバーできる部分も多くなってきたが、それでも切削工具の摩耗や個体差でほんのわずかなズレが発生してしまう。それを完璧に仕上げるのが、ベテラン職人たちの技だ。ミクロンレベルの寸法を守りながら磨く― 同社が誇る磨きの技術は、まさに唯一無二の職人技。デジタルと人の技術の両輪でミクロンオーダーの精度にこだわるのが強みだ。今後はこうした技術をどう継承していくのか、機械作業にどこまで置き換えられるのかを模索しているところだという。

 同社は自動車部品だけではない。かつては飲料用アルミ缶がステイオンタブとなった時に依存度が高まり、その後迎えたバブル景気崩壊で大打撃を受けてしまったという苦い経験がある。そこで現在では、1社1業種に依存するのではなくさまざまな分野にバランスよくリソースを割く経営を心掛けている。コロナ禍において、対面での営業が難しくなったことからチャレンジし始めたYouTubeチャンネルやメルマガも客先と繋がるツールとして活用している。キャンプ好きな社員たちが当初は趣味で始めた焚火台やランタンなどのキャンプ用品の販売も行っている。これを機に、自社開発製品にもチャレンジしていきたいという。

 ものづくりが好きな社員が集まっているからこそ、新しいアイディアが生まれる。昭和精工株式会社のチャレンジは続く。

生産部部長 木田 康隆 氏
リチウムイオンバッテリーの箔抜き金型
の部品(雄・雌) クリアランスは超極小
(0.001mm)

掲載会社情報

昭和精工株式会社

昭和精工株式会社

所在地
〒 236-0004 神奈川県横浜市金沢区福浦 1-4-2
TEL
045-785-1111
FAX
045-785-4488

製品情報

  • LiB用 電極箔打抜き金型(リチウムイオン電池)

  • LiB量産用 電極箔打抜き金型(連続塗工)

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