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属人化したサプライヤー探しを脱却。受託加工に強い探索SaaSで、若手社員を即戦力へと変える調達イノベーション
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国内回帰と調達先不足への対応
エミダスソーシングサービス開発の背景
2020年前後のコロナ禍を契機に、製造業界では生産拠点を中国から日本国内へ戻す「国内回帰」の動きが加速していった。しかし、長年海外生産に依存してきたメーカーは、国内サプライヤーとのネットワークが途絶えていたり、過去の取引停止による心理的な障壁があったりと、新たな調達先確保に苦慮していた。
そのような背景で(株)NCネットワークから誕生したサービスが「エミダスソーシングサービス」である。ベースとなる工場検索エンジン「エミダス」は、1998年から同社が提供しているもので、製造業のデータプラットフォームとして膨大な情報を蓄積していたが、UIや検索性の面で、現代の調達担当者が求めるスピード感や精度に十分応えきれていない課題があった。そこで、エミダスの膨大なデータを基盤にしつつ、より簡単に、かつ確実に最適な加工先を見つけ出せるサービスとして2022年4月リリースされた。今回は開発に携わった営業企画部 部長 白濱氏に話を伺った。
「商流に入らない」独自の強み―他社サービスとの差別化と信頼性
本サービスが他社の調達支援サービスと決定的に異なる点は、運営側が取引の商流に介在しないことである。手数料の上乗せや品質保証の代行を行わない代わりに、ユーザーはサプライヤーと直接、透明性の高い取引が可能となる。
一方で、信頼性の担保には妥協がない。エミダス会員であるサプライヤーは、会員登録時に生産設備や技術力についての審査を通過している。さらに、単なる加工先の検索だけでなく、例えば『「切削・表面処理・組み立て」を一括で依頼できる「ワンストップ対応」が可能な企業の絞り込み』などの検索方法も可能。近年増加しつつある、複雑化する調達ニーズに即した検索性の高さを実現している。
「検索」と「リクエスト」の使い分け―最適な発注先を効率的に見つける
さらに、本サービスのユーザーからは、主に2つの機能が高い評価を得ている。1つは、加工方法や保有機械から絞り込む「検索機能」である。作り方や仕様が明確に決まっている案件に適しており、高精度なフィルタリングによってNCネットワークが有する独自データから絞り込めるようになっている。
もう1つは、案件情報を公開して応募を募る「リクエスト機能(公募機能)」である。これは、「作りたい形状は決まっているが、最適な製法がわからない」といった開発段階の案件に特に有効である。リクエストを掲載すれば、1〜2営業日で回答が届き始め、4〜5営業日後には3〜5社程度の具体的な提案が集まる。自ら探し回る必要がなく、「待ち」の姿勢でプロの提案を受けられる点が大きなメリットなのだ。

さらに、企業検索の際に直面する悩みである「依頼先候補が多すぎる」という点も、本サービスでは解決できる。
例えば、一般的なWEB検索でもサプライヤーを探すことは可能だが、100件200件とヒット件数が多くなると比較が困難になる。また、せっかく問い合わせても「新規の少口案件」は後回しにされるケースが少なくない。
対して、エミダスソーシングサービスに登録している企業は、自社のPRと新規案件の獲得を主目的としている。そのため、新規の問い合わせに対する回答率が極めて高く、ISO認証の有無や得意業界といった詳細条件で絞り込みができるため、比較検討の工数も劇的に削減できる。

ベテラン頼みからの脱却
若手社員でも加工先を見つけられる環境へ
現状では展示会や既存ネットワークを活用しながら加工先を探すケースも多い。しかし、調達部門の人員不足やベテラン社員の高齢化が進むなか、経験や人脈だけに頼った調達体制には限界も見え始めている。
エミダスソーシングサービスでは、図面や加工内容をもとに候補企業を検索したり、リクエスト機能で提案を募ったりすることができる。そのため、経験の浅い若手社員でも適切なサプライヤーを見つけやすくなり、属人的だった調達業務の標準化にもつながっている。
実際の導入事例では、とある企業の研究開発部門が直面していた「どこも引き受けてくれない特殊な加工先が見つからない」という問題が解決されたケースがある。例えば、前例のないめっき処理の試作なども、リクエスト機能を通じて快く引き受けるサプライヤーと出会うことで、停滞していたプロジェクトが前進した事例が報告されている。
調達業務の未来―既存サプライヤー管理とAI活用への展望
エミダスソーシングサービスは、新規サプライヤーの開拓だけでなく、既存取引先の管理・活用にも領域を広げようとしている。
2026年4月には、既存サプライヤー情報を社内で共有・活用するための新オプション機能をリリースした。企業ごとに蓄積されている「どの会社がどの加工を得意としているのか」「過去にどのような案件を依頼したのか」といった情報を可視化し、組織全体で共有できるようにすることで、属人的になりがちな調達業務の効率化を支援するサービスだ。
さらに「将来的にはAIを活用し、検索結果の精度をより高める方向で進化を続けていきたい」と白濱氏。図面を投入するだけで最適な候補をピンポイントで提示できるような、製造業の「オーダーメイドのものづくり」をより身近にするインフラを目指している。このサービスの普及により、ベンチャー企業から大手メーカーまでが、コストや手間を恐れずに新しいものづくりに挑戦できる環境を創造していく。
加工先探しに悩む企業と、新たな仕事を求める工場をつなぐ。
エミダスソーシングサービスは、長年培ってきた製造業ネットワークを活かしながら、調達現場の課題解決に向けて進化を続けている。

