業界特集
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同じ大きさの材料から1つでも多く取るために ―鍛え上げた「打ち抜き」「切断」技術でコスト高・リスク時代の最適解を提示する受託加工メーカー
ショウワ株式会社
掲載企業ショウワ株式会社
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主要3品目
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放熱部材や電磁波ノイズ抑制材等の高機能材
両面テープやフィルムの加工
ワッシャー
大阪府守口市のショウワ株式会社は1958年の創業以来、フィルムやシートなどの材料を「打ち抜く」加工を極めてきた受託加工メーカーだ。具体的には、ユーザーの図面や要求仕様をもとに材料メーカーから材料を調達、±0.1mmという精度で正確に加工し顧客に届けるというビジネスモデルだ。
創業以来の蓄積で「打ち抜き+α」の複合加工を実現―2拠点での生産体制で、BCP対策も万全
同社の大きな強みは、創業以来長年蓄積した知見と多様な保有金型が生み出す圧倒的な対応力。打ち抜き加工では通常、金型の新規製作が必要となるが、ワッシャについては長年の蓄積された資産として800面以上の金型を保有している。そのため、形状が合えば型の製作費を抑えることも可能となるのだ。また、同社では打ち抜きだけでなく切断も手掛けているため、切断のみで作り出せる形状については切断で対応することで顧客の負担やリードタイムが最小となるような提案も行っている。

同社が手がける製品の多くはパソコンや無線機、医療機器などの弱電機器に用いられている。量産規模が大きくなりがちなこれらの弱電機器向け製品だが、同社では数十万枚レベルの量産から、試作レベルの少量多品種生産まで幅広いロット数に対応しており、製造能力面でも他社に引けを取らない。加えて、打ち抜きや切断だけでなくその後の工程となる曲げ加工や貼り合わせ、印刷(協力工場にて対応)などの加工能力も有しており、材料の調達から部品としての完成形までを一貫対応できる点も大きな特長だ。

もう一つ特筆すべき点は同社のレジリエントな製造体制だ。同社では大阪府の主力拠点のほかに岡山県の拠点にも同等の製造設備を保有しており、万が一片方の拠点が災害などの被害に遭っても、もう片方の工場に製造を切り替えることで同仕様・同ロットでの継続出荷が可能だという。サプライチェーンの安定性という観点からも盤石な体制を提供することで、BCPに取り組む顧客のニーズも掴んでいるのだ。
1mm以上の厚物加工実績も多数―防水・放熱・電磁シールドなどの高機能材も対応可能
電子機器の高度化に伴い、近年では防水・放熱・電磁シールドなどの高機能材の形状加工ニーズが高まっているが、このような特殊な材料について同社は特に強みを発揮する。「近年では1mm以上の材料加工のニーズが増えております。

厚物や特殊素材では金型を持たせるための工夫も必要となるため、金型メーカーと協力して、必要に応じて特殊な工夫を施した専用の金型なども使用しています」と同社担当者。電子機器に用いられる高機能材にはフィルムの上に別の材質を載せて貼り合わせた複合品も多いが、同社では先述の一貫加工能力を活かしこのような製品も数多く手掛けている。

厚物や高機能材と並んで近年需要が増えているというのが細幅での切断加工だ。同社では独自の金型・加工技術を結集することで極細幅の加工も得意としている。一例として防水テープの事例では、通常1~2mm幅が限界とされていたところを0.4mm幅でのカットに成功した。また別の事例では、スポンジ状の放熱シートを幅よりも高さ(厚み)が大きくなるように加工したケースなどもあるという。(一般的に、幅よりも高さが大きい形状への加工は安定性が小さくなるため、難しい加工とされる)

取り数を最大24%アップさせた実績も!―コスト高の時代でも強みを発揮するショウワの加工
打ち抜きや切断を駆使し顧客が望む形状を自由自在に作り出す同社だが、その優れた加工能力は昨今情勢の中で別の形でも強みを発揮する。それが材料費の節約だ。中東情勢の急速な悪化に伴い石油化学製品の値上がりや供給不安が取り沙汰されているが、この問題に対しても同社はすでに取り組みを始めている。「最近では同じ単位面積から1個でも多くの製品を取れるよう特に力を入れています。材料が不足している現状、可能な限り多く取ってほしいというニーズは増加傾向です」と同社担当者。
従来は裁断した材料を貼り合わせ送り出すことで抜き加工を行なっていたが、同社ではこれを見直し、大きなシートのまま打ち抜きできるような配置やプロセスとすることで取り数をアップさせた。こうすることで少ない材料からより多くの製品を取れるだけでなく、材料をつなぎ合わせる作業やその際に生じる材料のロスも削減することができ、材料費と人件費の両方を同時に削減することができるのだ。同社によると、取り数を最大で24%アップした事例もあるという。また、このような加工が難しい素材についてはロボットなどを活用して送ることで、材料ロスを削減している。

実は同社の材料節約の取り組みは、単に顧客のためだけのものではない。「この情勢下で材料節約することは、材料メーカーへの配慮という点でも大きな意味を持ちます。製品の納入先様だけでなく、材料メーカーもまた大切なお客様という認識です」と同社担当者。このようにして顧客・材料メーカー・同社が「三方よし」となる関係を目指している。
今後について同社担当者は「このような厳しい状況下ではありますが、材料メーカーさんとはタッグを組んでより高付加価値な製品を提供していきたいです」と語る。今年で68年目を迎えたショウワ株式会社。鍛え上げた生産体制とノウハウで、今後も日本の電子機器産業を支え続けることだろう。
