業界特集
株式会社富士精密(宮城県遠田郡)
掲載企業株式会社富士精密
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主要3品目
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半導体製造装置向け切削加工
通信機器類部品の切削加工
医療・生産設備・測定機器向けの切削加工など
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従業員数
28人
株式会社富士精密の代表取締役社長鈴木大介氏が、出社してパソコンを開き、最初にすることはエミダスの更新だ。技術・製品情報ページに自社で製造した部品の紹介を掲載する。その数は現在 900 を超える。「エミダスをできる限り活用したい。費用対効果は得られていると思います」と鈴木氏。エミダスからの新規顧客が定期につながることもある。この積極的でスピーディな営業姿勢こそが同社の強みだ。
同社は多品種少量生産に活路を見出した。それまでは主に通信向けコネクタを大量生産していたが、2000 年代半ばには量産部品が徐々に海外へと移り変わっていった。悩んだ末中国との価格競争を避け、他業種にチャレンジしたのだ。現在では半導体・分析装置・娯楽用品・医療機器や産業機械などさまざまな業界と取引の幅を広げている。「展示会や商談会には積極的に参加しています。どんどん新規開拓していきたい。仕事がないから探すのではなく、仕事はあっても探すことはやめません。当社にマッチした仕事をとにかく探していきます」と鈴木氏は意欲的だ。
精密で3ミクロンという厳しい公差が求められる量産品の製造で培った品質はそのままに、自動旋盤とチャッカ―旋盤を使い分け、顧客が求める品質を作りこむ。微細なノズルや、傷や打痕が許されない外観部品でも同社の技術力と品質の高さは評価されている。SUS304や SUS316 といったステンレス難削材も多くこなし、そのノウハウが蓄積されている。図面が届くと現場と共有し、場合によってはその場で試作するなどいろいろな形状に挑戦し、できることの幅を広げていく。同社で働く従業員たちは若く、技術的にも経験的にも今はまさに成長期。旋盤を活用した丸物加工をさらに突き詰めていきたい考えだ。
見積りの解答だけでなく、トラブル対応でも早いレスポンスが同社のモットーだ。一方で、現場のキャパシティを超えるような厳しい納期、数量には正直に解答する。24 時間生産を行いつつも、従業員に対して休みの取りやすい環境づくりや、技術的なチャレンジなど現場の自主性を後押しする。こうした取引先のみならず従業員に対しても貫く誠実な姿勢こそが、同社が多くの取引先からの信頼を勝ち得ている理由でもある。来期までには ISO9001、ISO14001、ISO45001 の認証取得を目指している。「とにかく早くレスポンスする、自分から仕事を見つけに行く。当社が扱うものは小さく数も多くないので距離は関係ありません。まだまだ仕事は見つかります」――鈴木氏の言葉に迷いはない。