業界特集

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自動車イノベーション、革新と一貫生産を持つ先導者

自動車イノベーション、革新と一貫生産を持つ先導者

熊野精工株式会社(三重県熊野市)

掲載企業熊野精工株式会社

主要3品目
  • インサート成形部品(自動車部品・電気部品・ガス器具部品など)
  • 金属部品製作(自動車部品・電気部品・ガス器具部品など)
  • 精密プラスチック・順送プレス金型製作
従業員数
187 人
年間売上高
36 億円

 創業53年目を迎え、本社工場を三重県熊野市に構える熊野精工株式会社は、金型から部品製造まで一貫して製作できる成形工場である。当社はもともと組み立て工場として創業したが、石油危機による経済状況の変化を受け、金属部品メーカーへの転向を果たした。その後、現在の成形工場へと発展してきたのだ。この移り変わりの経験が今の熊野精工の強みとなり、金型から部品製造まで一貫して製作できる技術を備えることとなった。当社は一貫生産という視点を持ち、難課題や量産において顧客に対して具体的な提案をしやすいことも強みだ。

 当社の主力事業は自動車部品の製造であり、その割合は全体の90%に達する。特に複合部品のインサート成形を得意とし、売上の70%を占めるようだ。2015年からEV車関連の部品製造を開始し、10年で売上の割合が逆転。その傾向は年々増加している。ただし今後の市場変化について正確な予測はできないため、単一の市場に依存せず、エンジン車とEVの両方に使われる部品の仕事も意識的に確保している。自動車産業は変化の激しい業界だが、熊野精工はこの業界から離れる意向はなく、安定した経営を維持し、2023年は売上高36億円に至る。

 環境問題に対する取り組みは20年前から行っている。「無駄なものは作らない」をモットーに、できるだけランナーなどの材料ロスを省く金型の設計に力を入れるとともに、顧客の了承を得た場合に限りリサイクルペレットを最大30%まで使用するなど、廃棄物の低減に取り組んでいる。

 重要視している経営課題は、「人材の確保」だ。毎年少なくとも5人の採用を目指し、地域外でも積極的に人材を探している。代表取締役社長の西計行氏は「品質を変えたいなら、人の意識を変えるべきです。設備を変えても品質は変わりません。それを扱う『人』の品質を上げるために、投資は惜しみません。モチベーション向上のためにも、昔の風潮を払拭し、正当な評価を受けられる環境を整えることが重要です。人材の質を向上させると製品の質も自然と向上します。何より、若者が増えると環境が活気づきます!」と言う。

 最後に日本の製造業の未来に向けて、熊野精工は「諦めずに継続することを皆で頑張りたい。日本はモノづくり大国であり、その地位を失いたくはありません。形は変わっても、その精神を失わないようにしたいです。共通の目標を持ち、言語化していくことが重要です。若い世代や将来の世代に『日本に生まれて良かったなー』と思ってもらえることを願っています」と述べる。

インサート成形部品の例

掲載会社情報

熊野精工株式会社

熊野精工株式会社

所在地
〒519-4325 三重県熊野市有馬町1491-1
TEL
0597-89-2741
FAX
0597-89-4741

製品情報

  • 【ケース】エンジンパワートレインシステム

  • 【技術紹介】インサート成形・プレス成形

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