
業界特集

アレイマジャパン株式会社
掲載企業アレイマジャパン株式会社
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主要3品目
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ステンレス帯鋼
シームレスパイプ
抵抗加熱合金
サンドビックから改名したスウェーデン大手特殊鋼メーカー
アレイマジャパンはスウェーデンの大手特殊鋼メーカーアレイマグループの日本法人である。2022年9月にサンドビックから社名を変更。鉄鋼を扱う多くの人たちにとって馴染み深いのは「サンドビック」という旧社名であろう。スウェーデン本社は創業160年を超える老舗特殊鋼メーカーであり、日本では明治維新後、全国に敷設された鉄道レールに同社の鉄鋼が使用されていたと言うから、その歴史は長い。日本の工業の発展と共にあり続けてきた国際企業なのだ。
高耐食性・高耐摩耗性などの高付加価値の特殊鋼やステンレスの開発で存在感
現在では、日本もまたステンレス生産国である。だが同社が作り出すステンレス鋼は、耐食性や耐摩耗性といった機械特性に優れ、高付加価値の特殊鋼としてその存在感を示し続けている。カミソリ刃や電動シェーバーに使用されているステンレスのシェアは世界ナンバー1を誇り、包丁といった身近なものから医療用メス。さらに印刷機内部のドクターブレードや、冷蔵庫やエアコンに用いられるコンプレッサーバルブなど、身近にあるさまざまな製品の最重要部品に同社のステンレスが用いられている。

同社のステンレスを始めとする鋼材が高品質である理由は、材料を溶かし、加熱しながら圧延するという上流工程でのノウハウにあるという。不純物を極限まで取り除き、微細なミクロ組織にすることで、同社のステンレスは薄さを維持しながらも剛性を保つことができる。こうした技術力の高さや信頼性の高さが同社の強みである。
また現在の環境配慮の観点からも、リサイクル材の使用やクリーンエネルギーを用いるなど同社は常に時代の最先端を行くリーディングカンパニーなのだ。
燃料電池セパレータ用ステンレス鋼を先駆けて開発
アレイマは時代に先駆け、15年以上前から燃料電池のセパレータに着目し、材料開発を進めている。ステンレスは金属としては電気特性に優れているとは言えないため、特殊なコーティングが必要となる。同社が材料開発だけでなく、さらにその先の量産性まで見据えて開発したのが、燃料電池セパレータ用コーティング済みステンレス帯鋼『Sanergy(サナジー)』だ。既に大手自動車メーカーなどでは採用が進んでおり、今後より需要拡大が期待されている。自動車やドローンなどの軽量化のニーズに先駆け、ステンレスだけでなくチタン基板での提案も準備するなど、常に時代のニーズを先取りする先進性には目を見張るものがある。もはや後進企業には追随できない境地に達しながら、市場や政治的動向を見守っている状況だ。
燃料電池というのは、水素と酸素を用意して電気を発生させる装置だが、逆に水から水素と酸素を電気分解させれば、クリーンな循環型社会が実現する。市場やメーカーからのニーズをくみ取るだけでなく、こうした未来のために率先して技術開発を行う。同社にあるのは、自らが世界の未来を作っていくという挑戦的で長期的なビジョンなのだ。