FBCでOEM/ティア1・カメラ・家電など多国籍・異業種との出会い　今期はHEV（ハイブリッド車）向け排気部品と切削部品の供給を強化 

　プラチンブリ県304工業団地にあるYS TECH (THAILAND)は、ユタカグループのアセアン最大の自動車部品工場です。タイで20年以上にわたり排気一環部品や機械加工部品（スプールバルブ等）を供給しており、今後はモーターコアやステーターなど次世代部品の生産を予定しています。同社のGeneral Manager・坂口氏、Senior Manager・河喜多氏に話を聞きました。 

主に排気部品、切削部品、トルクコンバータを生産

　弊社は主に排気部品、切削部品、トルクコンバータを生産しています。今期はタイでのハイブリッド車（HEV）市場の拡大を見据え、触媒コンバータやエキゾーストパイプ、サイレンサーなどの排気部品ラインを高効率化し、トランスミッション向けのスプールバルブなどの切削部品の製造、競争力強化に注力する方針です。さらに、将来的な展開として、日本で手掛けているモーターの積層から樹脂封止、シャフト部品にも注目しており、市場の動向を見極めながら、チャンスがあればタイでの展開を視野に入れています。 

新規顧客開拓とサプライヤー確保を目指してFBC商談会に出展

　FBC商談会は、弊社の販売活動において非常に有効なため、今年もその機会を活用させていただきます。特にハイブリッド車（HEV）市場の拡大を見据え、今後の成長には新規顧客の開拓とビジネスチャンスの獲得が不可欠です。FBC商談会への出展を通じて、弊社の認知度を高め、お客様との接点を広げていきます。大手日系メーカーとはすでに一定の取引がありますが、すべての購買担当者やエンジニアと直接繋がっているわけではありません。そのため、より多くの関係者に製品を認知してもらうことも重要です。また、弊社は多数の協力メーカーと連携していますが、今後はより多様な部品の調達が求められるため、新たなサプライヤーの確保もFBC商談会に出展する目的の1つです。さらに、OEM企業の二次メーカーに向けた切削部品の提案や、欧米および中国のメーカーとの繋がりを広げることも視野に入れています。弊社は豊富な設備を有しており、機械加工プレス加工、溶接、組立において、精密な加工から大量生産まで幅広いニーズに対応した見積もりを提供できます。FBC商談会ではそうした強みを伝え、お客様の要望に沿った提案をしていきたいと考えています。 

FBC商談会をきっかけに外資系大手ティア1との商談が実現

　2022年にパタヤで開催されたFBC商談会では、数社のOEMメーカーとのマッチングの機会が得られ、その後、各社を訪問して営業活動に繋げることができました。昨年5月にバンコクで開催されたFBC商談会では、外資系の大手ティア1メーカーと商談し、実際にお引き合いをいただきました。自動車関連のみならず、家電メーカーやカメラメーカーの方々とも意見交換ができました。また、パソコン用部品の製作相談や、大手部品メーカーの製品を機械加工で対応できないかというご相談も寄せられました。FBC商談会を通じて、OEM企業、ティア1企業、自動車部品の二次メーカーとの接点が広がっています。 

アセアン地域でのモーター生産に向けたサプライチェーンを構築 

　排気部品と切削部品の競争力強化と販路拡大を強化しつつ、既存部品の販売も引き続き伸ばしていきます。将来に向けたモーターについては、ステーターやローターの技術はすでに確立されており、日本では2016年頃からホンダのHEVに弊社の高効率な積層部品が採用されています。タイ市場でのニーズが高まれば、生産設備の整備を進める予定です。取引先は日系企業に限らず、欧米、中国、アセアン諸国などハイブリッド向けの積層部品だけでなくEVモーターへの積層部品も含め幅広く開拓しており、アセアン地域でのモーター生産に向けたサプライチェーン構築も進めております。今後、これらの取り組みをさらに加速し、グローバルな成長を目指して邁進していきます。