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高精度・高剛性を突き進むYASDAのマシニングセンタ 精密部品の自動化に不可欠なリピータビリティを実現

高精度・高剛性を突き進むYASDAのマシニングセンタ 精密部品の自動化に不可欠なリピータビリティを実現

安田工業株式会社
取締役 営業本部 本部長 香川 賢治 氏

掲載企業安田工業株式会社

まっすぐを突き詰めるYASDA マシニングセンタ

 安田工業株式会社(YASDA)がこだわるのは、高精度、そして耐久性を兼ね備えたマシニングセンタだ。0.001㎜の加工精度を実現し、半導体からEV自動車関連、防衛関係に至るまで厳しい加工精度を要求される業界から支持を受けている。

 日本、国外に関わらず、製造業を取り巻く課題として、寸法公差が厳しくなり、高精度加工が求められている傾向にある。さらにYASDAがこだわるのはリピータビリティ(繰り返し精度)だ。極めて高い寸法精度の製品が一律に製造できなければ、安定した自動化は実現できない。「当社は直線が、限りなく直線であることにこだわります」と取締役営業本部本部長である香川賢治氏は語る。直線と直線、平面と平面同士であれば機械はストレスのない状況で稼働できる。ストレスがなければ精度の追求もリピータビリティも実現できるだけでなく、高耐久や長寿命に結び付くと香川氏は言う。

精密分野の高速 5 軸加工を実現するYBM・YMC シリーズ

 JIMTOF2024においてYASDAが掲げるテーマは「Beyond the future with YASDA:YASDAで未来を超える」だ。日本国内では製造業の労働力不足と国際競争力の維持が喫緊の課題となっており、自動化技術の導入が急務である。それに対しYASDAは精密金型や精密部品加工に焦点を当て、機体温度制御システムによる極めて少ない熱変位を実現し、安定した自動化を可能とする。

 展示予定機器は4台。冷間鍛造金型やアルミダイキャスト金型の高精度加工に対応するYBM Vi50は、エロワ社製AWCとの連携による高精度5軸部品加工の自動化を提案する。主に北米や欧州で展開している5軸立型加工機PX30iは、33プリロードスタンドと323ATCを標準仕様。金型加工機として評価されているYBMシリーズで採用しているプリロード自己調整型スピンドルを搭載する。このスピンドルにより、剛性を維持しつつ、高速5軸加工が可能。ATCは513本仕様も提供可能で、国内の半導体製造装置の部品加工分野を狙う。精密金型加工用として30年以上の実績を持つYBM640、微細加工機YMC430の5軸仕様機も展示予定だ。エロワ社製AWCのロボットコンパクト80を装備することで、金型入れ子や電極加工の自動化を提案する。

 また会場では、熟練オペレーターが行っていたワークの平行出しや原点測定を不要にする、スキルフリーな段取りシステムと、熟練オペレーターでなくても容易に操作できる充実した計測ソフトウェアのプレゼンテーションを開催予定だ。

精密加工の需要と共に広がるYASDAのグローバル展開

 YASDAは国内外で安定したシェアを維持しており、現在では海外への販売台数が日本国内を上回り、60%ほどが北米、中国、欧州で販売されている。中国市場は過去3年間で大きな成長を遂げており、EVは引き続き好調が見込まれる。さらに欧州、北米市場では半導体製造装置向け部品加工に対応した製品開発を進め、カスタマイズ対応を強化していく考えだ。香川氏は今後の展望をこう語る。「東南アジア諸国などにおいても長期的な視野で成長ポテンシャルを見定め、世界中の製造業に寄与できるマシンをこれからも提案していきます」。

製品情報

  • 『YMC 430』:微細加工分野において超高精度・高面品位というニーズに応えるマシニングセンタ

  • YMC650+RT20 立形5軸微細加工機

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