業界特集
日進工具株式会社
掲載企業日進工具株式会社
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主要3品目
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小径CBN・PCDエンドミルシリーズ
無限コーティングプレミアムPlusシリーズ
超微細加工用エンドミル【マイクロエッジ】
大径工具から小径工具への切り替えが、現場の悩みを解決へ導く
製造業、とりわけ機械加工を取り巻く環境には技術的な進化と変化、そして社会的・政治的な課題が大きな影響を与えている。タングステンの材料供給不安などの要因によって引き起こされた工具価格の高騰は、機械加工業界に大きなインパクトをもたらしている。
日進工具が提唱しているSTUP(Small Tool Users Promotion)、工具の小径化は、そんな状況を解決する手段の1つになり得る。
通常の切削加工では、初めは大きめの工具から荒加工を行い、徐々に工具径を小さくして精度を追い込んでいくのがセオリーだ。なぜ大きい工具を選ぶのか。それは明確な理由があるというよりも、従来のやり方や慣習が見直されずに定着してしまっている可能性が高い。そこで日進工具では、最初の荒加工の段階から小径工具の使用を検討することを提唱している。これがSTUPだ。荒加工から小さな工具を使用すれば、取り残し部は小さく取り残し加工時の負荷も減る。これによって工具の欠けや摩耗を抑えることができるというわけだ。さらに原材料費の高騰から工具価格が値上がりしている中、大径工具は非常に高額となっている。小径工具を使用することでコスト削減も可能になる。日進工具の検証によれば加工時間の削減にも繋がるという。加工条件だけでなく、ツールパス、工具サイズの選定、前工程との工程設計など、これまでとは異なった新しい加工方法に挑戦するのは勇気がいる。だが、それを補って余りあるメリットをもたらす可能性があるのだ。
工具寿命5~10倍も――小径化×CBN工具で加工現場の生産性を向上
JIMTOF2026で打ち出しているテーマは「進化する微細加工」だ。超硬小径エンドミルでは国内トップシェアを誇る日進工具株式会社(NS TOOL)だからこそできる提案が、小径化×CBN化だという。
CBNとは立方晶窒化ホウ素(cubic boron nitride)というダイヤモンドに次ぐ硬さを持つ素材であり、CBN工具は一般的には焼入れ鋼などの高硬度材を削るために使用されている。耐熱性、耐摩耗性に優れるものの超硬工具と比較すると高価だ。だが適切に使用することで、条件にもよるが超硬工具よりも5~10倍の長寿命化が可能となるというから驚きだ。工具の長寿命化は工具コストを抑えるだけでなく、交換の手間やロスを減らすことができるという面でもメリットがある。日進工具ではすでにCBN工具のラインナップを多く取り揃えており、特にφ1mm以下のサイズにおいてCBN化を推進している。小径領域であれば、切込み量などはあまり変化がないため生産性は変わらない。より長寿命化の恩恵を受けやすいのだ。
CBNは硬いがゆえに欠ける恐れがある。とくに荒加工工程における取り残し部を切削する際、負荷が変わり工具に負担がかかってしまうとチッピングの恐れがある。そこで同社が提案するSTUPと連動することで、チッピングを防ぎ、工具を長持ちさせることにも繋がる。工具単体ではなく、ソリューションをまとめて提案できるのが日進工具の強みなのだ。
続々と新製品を発売
磨き工程を大幅低減した鏡面加工、切りくず排出などの機能で自動化を支援
機械加工の自動化、工程集約においても工具の果たす役割は大きい。工程集約などの目的から、五軸加工機の導入が進んでいるが、精密加工の分野では、まだ精度面での不安感があるのも事実だ。だが五軸加工機は干渉を避けられるため、短い工具を使用できる。剛性を保ち、工具の倒れを防ぐことで精度維持に貢献できるのだ。五軸加工機は工具の「おいしいところ」を常に当て続けることができるという点でも、工具の長寿命化につながるという。また同社のPCD(多結晶ダイヤモンド)工具による鏡面加工は、磨きレスでRa0.008を実現。この実物サンプルはJIMTOF会場にて展示予定のため、ぜひその目で確かめて欲しい。
新商品も注目だ。日進工具ではマーケットの評価を重視し、新製品を次々発表している。2026年6月に新発売されたばかりのニック付きシリーズは、自動化を阻む原因である切りくずを細かく分断し、切粉詰まりによる機械停止を防ぐ。さらには今年初めてシリーズ化した自動旋盤向け工具も展示され、顧客の反応を直接確認したい考えだ。日進工具では、ユーザのリアクション、ニーズをつかみ、現場の困りごとに対応できるよう常に体制を整えている。JIMTOF2026でも新商品が発表される予定だという。どんな新商品が発表されるのかにも注目だ。
市場が追いつく、その前に
代表取締役社長 後藤 弘治氏は語る。「先に工具がなければ、だれも挑戦しない。需要が生まれる前に工具を標準化させるという思想でやっています」。現在ラインナップされている小径工具の中で最小径はなんと刃径φ10μm。髪の毛にすら文字を掘ることができる細さだ。1/100mmのマイクロ工具が生まれたのは2005年。当時は誰も使いこなせなかったマイクロ工具だが、現在は半導体関連、医療用途ではφ20μm径の工具が標準で利用されるほど、マーケットが日進工具にようやく追いついてきている。「つくるの先をつくる」という日進工具のポリシーを、まさに実現しているのだ。
そして極小径工具を支えているのがコーティング技術だ。日進工具では自社開発したコーティングを、サイズごとに異なるレシピで最適なコーティングを施す。こうした技術の積み重ねと揺るぎないポリシーが、日進工具のブランド力を高めている。日進工具の次なる展開に期待したい。
景況感は好調。製造業全体でサステナブルな取りくみを
景況感については、自動車関連は引き続き厳しいものの、それ以外の分野では好調の見通しだ。だが工具業界ではタングステンの供給不安、価格高騰が懸念されている。そこで日本機械工具工業会では、超硬工具の国内循環のガイドラインを発表している。日進工具でも情報提供システムなど顧客の不安に寄り添いつつ提案を行っていきたい考えだ。
材料の供給不安、人材不足、環境対策、物価上昇といった問題に取り組みながらも、AI技術の発展、高精度化に追いついていかなくてはならない状況は依然として続く。製造業界全体で、持続可能な社会に向けての取り組みがより重視されている。

