業界特集
富士電子工業株式会社
掲載企業富士電子工業株式会社
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主要3品目
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高周波焼入れ受託加工・高周波熱処理による試作
高周波誘導加熱装置およびその部品の製造販売
トランジスタ・インバータおよびその部品の製造販売
加熱コイル交換を自動化!
既存設備にも対応可能なコイルオートチェンジャー
高周波焼入れのリーディングカンパニーである富士電子工業株式会社が、JIMTOF2026で掲げるテーマは「大航海」。このテーマに込められているのは、マーケットが大きく変動し、新たな海へと漕ぎ出す富士電子工業の覚悟、そしてその先にある未来だ。
展示の目玉となるのが、コイルオートチェンジャーだ。これまで、人の手を多く必要としていた加熱コイルの交換の自動化・省人化が可能となる。工作機械などの大型部品に用いられるコイルは大きく、交換作業は大変な作業であった。多品種・少量生産が増えると段取り替えの負担はさらに増す。
そこで富士電子工業では、AMR(Autonomous Mobile Robot:自律走行ロボット)を用いたコイルオートチェンジャーを開発。これまで機械の内部や近隣に置いておかねばならなかった交換用コイルを離れた場所に設置しておくことも可能となり、工場レイアウトの自由度も上がる。コイル棚に精度測定器も設置することで、精度測定も自動化できる。展示ではAMRを採用しているが、AGV(無人搬送車)にも対応可能。さらに既存設備に追加することもできるという使い勝手の良さにも注目だ。現在では同じラインにさまざまな製品を流す工場が増えており、コイル交換の段取り替えの自動化ニーズは高まっているという。熱処理工程の自動化・効率化に大きく貢献することが期待できる。

IHと燃焼炉のハイブリッド加熱で省エネ・工程改善を実現
IoTスマートメンテナンスシステムFD-ioT
富士電子工業が提案しているIH(高周波)と既存の燃焼炉を組み合わせるハイブリッド方式は画期的な方式だ。IHで短時間に800度程度まで昇温し、そのあと炉で均熱することで、従来8時間かかっていた作業を2時間程度まで短縮した事例もあるという。これによって処理時間が大幅に短縮するだけでなく、電気代を3分の1〜4分の1に抑えることができる。電気代の節約や環境配慮の面でもメリットは大きい。IH単独でも昇温は可能だが、炉に近い温度制御をIH単独で行うと複数周波数・複数コイルが必要になり装置が複雑化してしまう。そのためハイブリッド方式が有効なのだ。

代表取締役社長の渡邊 弘子氏は話す。「業界全体の課題として、人手不足は喫緊の問題です。私は熱処理業界の採用難の一因に、夜勤の常態化があると思っています。焼入れ炉の温度を下げたくないと言う理由から火を落とさないという工場もあると思いますが、素早く昇温できれば処理時間を短くすることができる。そうすれば夜勤を極力減らすことができ、労働環境が改善します」
富士電子工業は、焼入れ業界の中でも特に積極的に自動化やIoT化を取り入れている企業だ。IoTスマートメンテナンスシステムFD-ioTによって装置の稼働状況を詳細にモニタリングできる。トレーサビリティや予知保全・予防保全に活用され、導入した企業からの評価も非常に高いという。モニタリングできる項目も随時拡大中で、コイルやブスバーの劣化などデータを収集して更なる機能拡大を図っていきたい考えだ。企業側のニーズとしてクラウドではなくオンプレミス版の開発も進めているという。
熱処理業界は新たな市場開拓へ
渡邊社長は語る。「苦しいときにこそ撒いた種が、芽を出し、今実を結んでいます。現在加工は非常に忙しくしています。アメリカのデトロイトで設立したメンテナンス工場では、現地の熟練工を採用して現在は当社のやり方を指導しているところです。アメリカでも自動車ではなく、工作機械や発電機などの需要はあるはず。営業拠点として新規顧客開拓に動いていきます」
熱処理業界はいま、大きな岐路に立たされている。自動車業界の設備投資が下火となっている状況は世界的にも同様に見られ、大手海外メーカーが次々と高周波焼入れ事業から撤退しているのだ。富士電子工業でも建機・農機・工作機械・船舶・半導体など、すでに新しい業界の実績を積んでいる。データセンターで使用される発電機に用いられるクランクシャフト、半導体関連の運搬装置となるリニアレールは現在非常に好調で、新しい柱になりつつある。他にも鉄道など、これまでとは違った業界にも挑戦していきたい考えだ。
「会社として、お客様の明日の競争力を支える企業となるというスローガンを掲げています。目先の利益やコストではなく、来年再来年に稼げる機械を提案して作れる企業でありたい。日本の技術とは、『未来を見据えた』ものだったはず。使いやすさ、壊れにくさ、そしていかに労力や負担を減らすかということを考えてものを作るという基本を忘れてはいけないと思います。当社の機械は低価格とは言えませんが、いいものはリターンも大きい。お客様の利益になる提案をしていきたいですね。
今回のテーマが大航海なので、展示もそれに沿ったものを準備しています。JIMTOF2024で初登場した富士電子工業マスコットキャラクターFUJIぽんも登場します。ぜひ楽しんでいただけたら」

自動車から建機、農機、船舶、半導体、そしてデータセンターへ。富士電子工業の大航海は、まだ始まったばかりだ。渡邉社長が見定めるものは、日本のものづくりが大切にしてきた未来を見据えた技術のその先にある。
