10年以上にわたり地位を確立 

金属部品加工分野における信頼のパートナー 

　Technokom Joint Stock Company（以下、Technokom）は、ベトナムを代表する精密機械加工企業の一つであり、15年にわたり自動車・バイク産業向けの金属部品を製造してきた実績を誇る。2010年の設立以来、Technokomは高度な加工技術と国際競争力のある生産体制を武器に、着実に存在感を高め、国内外の大手企業から信頼されるパートナーとしての地位を築いている。 

技術を掌握することから生まれる力 

　Technokomでは、テクノロジーこそが競争力の中核を成す基盤と位置づけている。総面積15,000㎡の3つの工場には、35～500トンのプレス機、CNCパイプベンダー、自動溶接ロボット、3次元測定機など、先端の設備が整えられている。 

　中でも同社の強みの一つであるロボット溶接システムは、欧州の顧客からも高く評価されており、美観・技術の両面で最高水準の溶接品質を実現している。このシステムのプログラミングおよび操作は、3年以上の専門経験を有する熟練のチームリーダー・サブリーダーが担い、生産性と品質の最適化に寄与している。 

　また、Technokomは単なる製造にとどまらず、金型や治具の設計・製作工程を一貫して社内で完結できる体制を構築している。試作品一つから、図面の作成から部品加工まで、完全な金型一式を短期間で開発することが可能だ。金型・同社の治具部門では、最大で45日間に30セットの金型製作が可能であり、顧客の製品開発期間の短縮と、高度な機密保持の両立を実現している。 

柔軟性・精密性・そして常に限界を超えて 

　Technokomが顧客から高い評価を得ている理由は、製品品質や統合された設備環境だけではない。タイトな納期の中でも、コストを最適化しつつ、難易度の高い技術課題に迅速かつ的確に対応できる点が、大きな信頼につながっている。 

　実際に、ある国際顧客からの緊急案件では、通常45日かかるとされるプレス・溶接関連の複雑な10点以上の部品を、追加コストなしでわずか30日で完成させた。これは、技術・プログラミング・生産・品質管理の各部門が連携し、効率的にプロジェクトを推進した成果である。 

　また、Technokomでは、品質管理と継続的改善の標準プロセスとしてFMEA（故障モード影響解析）を導入している。検出された不具合は、原因分析・写真による視覚資料・具体的な対策とともに記録され、現場の全スタッフに共有される。この仕組みにより、再発防止はもちろん、生産工程全体の精度と一貫性の向上が図られている。 

FBC ASEANでの出会いが、未来への原動力に 

　2017年、FBC ASEANがベトナムで初めて開催された当初から継続的に出展してきたTechnokomは、本展示会の高い専門性、きめ細かなサポート、そして国際的な顧客へのアプローチ力を高く評価している。毎年欠かさず参加することで、国内外の多くのパートナーとのネットワークを着実に広げており、特にアメリカや日本からの来場者との接点拡大に貢献してきた。 

　2024年は製造業全体にとって厳しい年となり、多くの企業が世界的な景気後退やサプライチェーンの混乱に直面する中、TechnokomはFBC ASEANを、コア技術の発信、戦略的パートナーシップの構築、そして業界の最新動向や技術を把握するための、実効性の高い商談プラットフォームと位置づけている。 

　将来を見据え、同社は現在、工場拡張と塗装・メッキラインへの追加投資を計画しており、加工工程のバリューチェーンを一層強化する構えだ。Technokomは、「ベトナムを代表する板金・パイプ部品のサプライヤー」を目指し、常に技術力を磨き、顧客の技術革新の歩みに寄り添うパートナーであり続けることを目標としている。