業界特集
株式会社 中農製作所
掲載企業株式会社 中農製作所
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主要3品目
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精密切削加工
老舗金属加工会社がつくる、全てがちょうどいい洗浄機『洗浄小町』
大阪府東大阪市にある中農製作所[s1.1]は、創業70年を超える老舗金属加工会社だ。自動車関係、半導体関係の部品製造を行っており、精度もさることながら、その高い品質管理能力は、大手メーカーからも信頼を勝ち得ている。
自動車部品はコンタミ対策が必須。自動車の厳しい品質要求に応えるべく、同社もこれまでは他社製洗浄機を導入し、試行錯誤しながら生産を続けていた。だが、同社が製造する複雑な形状の部品では、乾燥が不十分のため梅雨時になると錆びが発生してしまうことがある。そのうえ、市販の洗浄機では工程や工法の変更に対応しきれないという問題もあった。そこで同社は自社で洗浄機の開発に乗り出した。こうして自社の課題解決のために生み出された洗浄機が「洗浄小町」なのだ。

水系小型部品洗浄機「洗浄小町」の特徴は二室構造だ。洗浄後に洗浄室で粗乾燥機能を搭載しており、ワークを回転させながらエアブローで水滴を飛ばし、乾燥室へ移動。そしてノズルからの空圧によってワークを高速回転させることで水滴を吹き飛ばす。洗浄室と乾燥室を分けることで、天井やノズルに付着した水滴が落ちてワークを濡らすことを防ぐことができるというわけだ。こうした一連の機構は特許を取得している。狙った位置にノズルを配置させる[s2.1]ことで特殊な形状にも対応。二室構造でありながら、スペースの限られた町工場でも設置できるコンパクトな筐体。インラインにも対応可能。まさに現場感覚が生み出した洗浄機なのだ。
製品ごとに設計されたアタッチメント治具を取り付けることで、最適な洗浄・乾燥を行うことができる。本業が金属加工だからこそできる細やかなサポートと、ユーザー目線の製品開発力が発揮されている。完成した洗浄機を見た他社から「自分の会社にもほしい」という声が上がったため、外販を開始したという経緯を持つ。プロが認めた本当に使える洗浄機なのだ。
洗浄小町はセミオーダーメードに対応。現場ごと、ワークごとに最適な仕様で作りあげる。「洗浄工程というのは後回しにされがちです。製造ラインを作り上げてから洗浄機がないことに気が付いて、慌てて注文を受けたこともあります。洗浄小町はコンパクトで、コスト、パフォーマンスともにちょうどいい洗浄機を目指しています」と営業2チーム長 有本 統氏。かゆいところに手が届く、現場目線の洗浄機。それが洗浄小町なのだ。

YouTube動画から生まれたマスキングゴム特化洗浄機「ミニコマMK-2」
マイボトル洗浄機など新しい業界にも積極的に挑戦
中農製作所ではYouTubeチャンネルやnoteなどでも積極的にPRを行っている。動画を見た視聴者から「これも洗えないか?」と問い合わせが来たことから、新たな洗浄機が生まれた。それがマスキングゴム特化洗浄機ミニコマMK-2だ。マスキングゴムに付着した塗料をはく離するためには、溶剤を用いるのが一般的。外注している工場も少なくないだろう。だが同社のミニコマMK-2ならば、基本的に水のみで塗装のはく離が可能。より環境や人体の健康に配慮した上で、コスト削減や手間の削減に貢献する。こうして同社は、塗装という新しい市場開拓に成功。今後は塗装工程の現場改善など、幅広く展開していきたい考えだと言う。
また、大阪・関西万博にも同社の洗浄機が設置された。大手家庭用品メーカー象印マホービン株式会社が中心となり共同開発した「マイボトル洗浄機」が、大阪万博会場内に試験的に10機設置され、広く利用されたのだ。これはマイボトル(水筒)の利用をより促進させ、ペットボトルレスを目指すことを目的として開発され、今後も展開されていく見込みだという。こうした新しい試みをフレキシブルに対応できる体制や柔軟な社風も同社の強みだ。
より自動化に適した最新モデルが登場
洗浄工程から工程改善・自動化を提案
洗浄小町は自動車部品用に開発されたこともあり、アルミダイカストなどを中心に用いられている。だが、その能力が生かせるのは自動車部品に限ったことではない。社内での検証の結果、真鍮部品との相性が良く、サイクルタイムの大幅な削減が見込めるという。バルブメーカーなどにさらに販路を広げていきたい考えだ。洗浄小町は水系洗浄液を用いるため法規制がないというのも魅力。海外工場に設置した実績もある。
また、近日新モデルが登場予定。新モデルでは、これまでのワークサイズφ200から、筐体サイズも横幅はほぼ変わらずにφ300まで対応が可能。メンテナンス性も向上している。さらに脱着スペースを設けた三室バージョンもラインナップ。これによってローダー搬送にも対応し、さらに自動化への対応がしやすくなっている。
洗浄工程は直接的な生産工程ではないだからこそ、自動化による省人化に適している。これからの時代、大手企業だけでなく、中小規模の工場こそ自動化を進めていくことがキーポイントとなってくる。中農製作所では自動化の提案も含めて可能。工程改善、自動化にまずは洗浄機の見直しという選択肢を提案しているのだ。

