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​​​​異種金属の接合で材料の「適材適所」を実現 ―株式会社ジャパン・ミヤキが提案する摩擦圧接という選択肢​ 

​​​​異種金属の接合で材料の「適材適所」を実現 ―株式会社ジャパン・ミヤキが提案する摩擦圧接という選択肢​ 

株式会社ジャパン・ミヤキ

掲載企業株式会社 ジャパン・ミヤキ

主要3品目
  • 輸送機器(トラック・マリン)

  • ステンレス加工(切削・研削)

  • 中量ロットの一貫生産(材料~加工~熱/表面処理~研削)

従業員数

114名

 株式会社ジャパン・ミヤキは静岡県浜松市に本社を構える金属部品加工メーカーだ。1955年の創業以来、家電や事務機器など時代に合わせて多様な部品製作を手掛けてきた。現在では輸送機器向け部品が売上の7割を占めており、その中核を担う技術が「摩擦圧接」である。

「摩擦圧接」とは ― 溶接との違いと特徴 (面接合、高強度)

 摩擦圧接は回転させた金属を強い力で押し付け、発生する摩擦熱で接合を行う技術だ。金属表面は酸化被膜で覆われているが、摩擦圧接では温まった母材同士を押し付ける過程でこれら不純物を摩擦カールとして外側に押し出す。これにより完全無酸化の母材同士が原子レベルで近接。電子の共有が生じ、2つの材料が強固に接合されるという仕組みだ。

 摩擦圧接の大きな利点として「面接合である」という点が挙げられる。棒材を接合する場合、溶接では外周のみが溶着するため実際にはパイプと同等の強度となってしまう。これに対して摩擦圧接では断面全体で接合されることから、同じ面積でより大きな強度を出すことができる。つまり、同じ強度を出すのにも溶接に比べて小さい断面積で済むため、アイテムを小型化できるのだ。また、表面についても後加工で摩擦カールを除去することで、高精度かつ平滑な表面を実現することができる

※溶接の場合、ビード(接合部の盛り上がり)を除去することも出来るが、強度低下に懸念が残る(強度保証が難しい)

「摩擦圧接」の活用 ― 異種金属接合で最適設計に貢献 
(その他:ニアネットシェイプ、ニコイチ)

 株式会社ジャパン・ミヤキは50年以上にわたり、摩擦圧接で様々なプロダクトを作り出してきた。洗濯機の脱水用しごきローラー製作に始まり、コピー機のローラー製作を経て、現在では船舶(船外機)やトラックに向けた駆動/燃料系の重要部品を手掛けている。これらにいずれも共通するのは「異なる形状や異なる材質の部材を高強度に接合した部品」であるという点だが、これがまさに摩擦圧接という技術の旨味そのものなのだ。摩擦圧接は電子の共有を利用して接合する技術のため、溶接の難しい異種材料の接合も比較的簡単に行える。例えば船舶のプロペラシャフトは海水に浸かる部分にSUS、動力を伝達する歯車の部分に耐摩耗性に優れた鉄を用いるが、摩擦圧接で接合することでこれを1つの部品として作ることができる。「このような異材を用いた製品の場合、通常2つの部品は継手を介して接続しますが、摩擦圧接なら1つの部品として作ることができるため、継手や調整機構が不要。部品点数削減(省スペース化)・組立工数の削減ができます」と宮木氏。材料の「適材適所」は重要だが、摩擦圧接を用いることで更なる設計の最適化が可能になるのだ。

 摩擦圧接を用いるメリットはほかにもある。それが「ニアネットシェイプ」だ。例えば両側に大きなフランジ(つば)のついた形状を作りたいとき、最大径部分の丸棒から削り出すのでは材料のロスが大きい。鍛造などで製作することもできるが、専用の治工具が必要となることもあり、数百個クラスの小~中規模生産ではコスト高になりやすい。このような場合、摩擦圧接で棒材とフランジを接合。専用治工具不要で同等形状を作り出すことができる。面接合なので強度は削り出しと同等。摩擦圧接を活用することで材料&加工を削減し、生産コストも最適化できるのだ。

 「このほかにも、既存製品の一部分だけを組み合わせて新たな製品を作りたいとき、2つを切断して摩擦圧接で接合することで試作リードタイムを大幅に低減できます(ニコイチ(二個一))」と宮木氏はさらにメリットを付け加える。同社では単に摩擦圧接にとどまらず、切削による後加工を含めてトータルで相談を受け付けている。

 単に「摩擦圧接ができる」だけでなく「摩擦圧接を使いこなす」株式会社ジャパン・ミヤキ。同社の対応力と提案力が解決する課題は今後も留まるところを知らない。

ニコイチで試作品を作る様子

製品情報

  • 摩擦圧接 特徴 メリット デメリット

  • カシマコート 仕上げ研削 摺動性と高精度の両立

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