業界特集
多摩川ハイテック株式会社 板金製造部(青森県三戸郡)
掲載企業多摩川ハイテック株式会社 板金製造部
-
主要3品目
-
半導体関連装置
屋外筐体
防衛関連機器
-
従業員数
49 人(板金事業部)
-
年間売上高
- 4.7 億円(板金事業部)
エミダスを利用したことで、今までとは異なる客層からの引き合いが増えている ― 、多摩川ハイテック株式会社板金製造部はエミダスを通じて、取引先の新規開拓、そして新しい業種にチャレンジしている。同社はグループ企業の製造部門でも唯一営業部を持ち、親会社からの受注のみならずさまざまな分野で他企業から製造を請け負っている。その営業戦略とマッチしたのがエミダスだ。同社の営業課 根市知香子氏は笑顔を見せる。「これまでの大手メーカーの完成された図面とは異なり、客先と一緒に製品を作り上げていくことにやりがいを感じています」。デザイン性を高めたり、塗装の色や模様を提案したりする。板金から組み立て、塗装まで社内で一貫対応するからこそできるこれらの提案は、客先にも好評だ。客先からすれば、同社で筐体をまるごと任せることで管理費の削減にもつながり、同社の強みともなっている。
「当社は溶接だけでなく社内で塗装まで行うため、後工程での不良までを考え、美しく仕上げることにこだわりを持っています。社内で研さんすることで実力が付きました」と同社板金製造部長の小笠原秀悦氏は語る。同社の最大の強みは、サーバーラックの製造から始まった同板金製造部の高い技術力にある。サーバーラックの製造が海外に移転してしまった後も、同社への技術や品質に対する信頼は揺るがず、取り引きは続いている。「半導体と一口に言っても、さまざまな業種があります。1つの会社・業種に絞らず、勢いのあるところへ営業をかけていくことで、売上を安定させていきたい。作るものが変わっても、現場で混乱が起こることはありません」と小笠原氏は自信を見せる。同社は気密性を求められる屋外筐体の製造も得意としており、同社内で防水試験を行い、品質を保証。防衛機器にも採用されている。
同社は電車などのインフラ、防衛関係のみならず2016年にはJISQ9100(航空宇宙)の認証を取得して航空機事業に参入した。コロナ禍で航空機の製造台数は落ちこんだものの、コロナ明けといわれる今は回復の兆しを見せており、さらなる需要の伸びに期待できる。同社は青森県八戸市に隣接する南部町に工場を構え、高速道路や鉄道といった交通の便も良い。近隣にはグループ会社の工場が点在しているため、柔軟に対応できることも強みの1つだ。グループ企業からの人事異動も盛んで若い人も多く、風通しが良い。多摩川ハイテックの板金製造部は、実績に裏打ちされた確かな技術力と柔軟性を持つ板金工場なのだ。