業界特集
平岡工業株式会社(広島県広島市)
掲載企業平岡工業株式会社
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主要3品目
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金型(自動車/産業用)設計・製作
精密部品(治具/設備機器)設計・製作
オリジナルグッズ・ノベルティグッズ制作
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従業員数
65人(海外拠点含む)
「絶対に金型でなくてはだめというマインドはありません。モノづくりは何のためにやっているのか?困っている人の課題を解決するためです。メーカーと言うよりは、究極の御用聞きと言う目線でやっています」――平岡工業株式会社代表取締役社長の平岡良介氏は何度も「課題解決」というフレーズを繰り返した。
同社は自動車のドアウェザーストリップ用ゴム金型など製造を主力としているメーカーだ。ゴム金型はアンダーカットが多く工程数も多いという専門性の高い分野だ。段取り替えも多く、自動化も難しい。金型業界全般として、これまでのやり方では生き残りが厳しい時代になっている。そこで同社が2020年から開始したのは、SCC(精密部品加工・調達代行センター)だ。金型や切断折曲機などの装置を開発・製造してきた中で、これまで多くの取引先や関連企業と共に行ってきた部品調達という業務を「事業化」したのだ。これまでモノづくりを長年行ってきたプロ集団だからこそできる、まさに「課題解決」のためのツールである。
コロナをきっかけに、同社が初めて手掛けたBtoC向け製品は一つの契機となった。抗菌マスクHIRAXはグッドデザイン賞を受賞し、次世代フェイスシールドHIRAX AIR shieldはパリコレでも使用されるなど大きな反響を呼んだ。2022年からスタートしたアウトドアブランド「asobient」や、クラウドファンディングでさまざまな企業・著名人とコラボレーションした製品も話題だ。こうした新たな挑戦の背景には平岡氏自身の活動がある。平岡氏が「広島から日本の製造業を良くしたい」と始めたラジオ番組に寄せられる課題をいかに解決するか。顧客に対し本当に役に立つためにはどうすれば良いか考えた結果として、最終製品を手掛けている。そうして出会ってきたさまざまなご縁を大事にすることで、同社の事業は大きく広がっている。
製造業に今必要なことは、マーケティング力だと平岡氏は語る。マーケティングには費用も時間もかかる。すぐに効果が表れるわけでもない。だが従来のままでは、いつか時代にマッチしなくなってしまう。マーケティングに力を注いだ結果、同社が誇るHIRAXは異業種の3社が持てる技術の粋を結集したことで生まれた世界最強のフェイスシールドだという自負がある。一見関係のない業界がコラボレーションすることで全く新たな可能性が見えてくるかもしれない。「やったことがないからできないのではなく、できないことをできるようにするのがプロです」と平岡氏は話す。そこには長くモノづくりを行ってきたからこそのプライドがある。