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金属加工もゴム金型も磨きレス加工で仕上がりに自信

金属加工もゴム金型も磨きレス加工で仕上がりに自信

有限会社鈴精機(静岡県周智郡)

掲載企業有限会社鈴精機

主要3品目
  • 切削加工品

  • 機械加工品

  • ゴム金型

従業員数

10人

「ゴム試作も金属試作も.com」は、有限会社鈴精機が提供しているWEB受注サービスだ。同社のWEBサイトの閲覧数は常に高水準をキープし、絶えずさまざまな依頼が飛び込む。企業だけでなく、個人からの依頼も多い。現在のように製造業がインターネットを活用するずっと前から新規顧客の開拓にWEBを活用しているのだ。サイトからの流入で、10年以上経つ今でも主要な取引先となっている企業もあるという。金属加工の引き合いも増えている。「エミダスの掲示板で人脈も広がりました」と代表取締役の鈴木忠利氏は笑う。鈴木氏はエミダスの黎明期、盛んに情報交換が行われていたモノづくりコミュニティ掲示板の住人だったのだ。WEBは困ったときの駆け込み寺”という側面もあり、継続案件に繋がらないことも多い。だが個人の顧客でも、興味深いものや嬉しくなるような案件もある。「各所に問い合わせて断られてしまったお客さんが頼ってきてくれて、感謝してもらえるのは嬉しいです」と鈴木氏。

 WEBからの新規顧客が継続案件に繋がるのも、技術力があってこそ。同社の金属加工は独自のノウハウで磨きレス加工ながらRa0.2~0.6の面粗さ精度を誇り、その面相の美しさは顧客の要求品質を上回ることも。完成品を見た顧客から「鈴精機の製品はきれい」と評価を受けている。ゴムはバリが出やすいため、金型は精度が要求される。またゴム金型はアンダーカットの処理など、加工には知見と経験が必要。同社ではゴム金型の技術を部品加工にも生かしている。旋盤の技術にも自信がある。治具も自社で製造できるため、汎用機でできる加工の幅は広い。低速高送り加工で深堀にも対応。汎用機とマシニングセンタを併用しながら顧客の要求に応えているのだ。「リーマンショックを生き残った理由に、ゴム金型だけでなく部品加工もバランスよく仕事をしてきた点がある」と鈴木氏は話す。経営面でも技術面でも、ゴム金型と部品加工の両輪が同社の強みなのだ。

 課題は技術の継承だ。若い人材も入ってきたことから、モチベーションアップのためにも新しい設備導入を行っている。従来フライス盤で行っていた作業もマシニングセンタで自動化を目指しており、2024年秋には三軸加工機も導入予定だという。

 ゴム試作の獲得にも注力している。量産性を考慮せずに試作を行えば、量産移行時にトラブルが発生してしまう。「金型を作る立場ではなく、使う立場に立ってものづくりがしたい」と鈴木氏は話すが、大手メーカーの体制の変えるのは難しい。それでも鈴精機は、成形メーカーから逆指名される金型屋を目指す。

代表取締役 鈴木 忠利 氏

製品情報

  • 【試作の課題事例】材質:真鍮で切削加工。M24×P3のネジ部を、相手ネジとの緩さ調整。

  • 【試作の課題事例】単品からでもOK。 オーダーメイドのピン!作ります。

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