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「NOと言わない東洋」から革新的な射出成形機が登場

「NOと言わない東洋」から革新的な射出成形機が登場

東洋機械金属株式会社
代表取締役社長 田畑 禎章 氏

掲載企業東洋機械金属株式会社

主要3品目
  • 射出成形機

  • ダイカストマシン

  • 光ディスク成形機

従業員数

753人

年間売上高
352億9835万円(2023年3月期)

顧客と向き合う姿勢こそ東洋機械金属の信条

 「お客様と直接お会いすることを大切にしています。そう、現場主義なんです」――こう語るのは、東洋機械金属株式会社代表取締役社長の田畑禎章氏だ。社長自ら世界中の現場に出向き、収集した意見や要望を社内で共有し、製品開発に生かしているという。「ありきたりかもしれませんが、<誠実 謙虚 感謝>の精神が極めて大事。お客様に対して誠実に、自分たちにできることを精一杯やらせていただく。この価値観が行動の基盤になっています」。

 ビジネスにもこの誠実な姿勢が表れている。「『NOと言わない東洋』。このキャッチフレーズが象徴する通り、弊社が提供する射出成形機の最大の強みは、柔軟なカスタマイズ力にあります。個別のニーズに対応し、お客様それぞれに最適な射出成形機を適切な価格でお使いいただけるよう努力する。そして製品の価値を最大限に引き出していただくこと。これが、我々のポリシーです」と田畑氏は力強く語る。この顧客を中心とした姿勢は、東洋機械金属が25年以上にわたり堅持してきた行動指針であり、同社の企業精神を象徴している。

 工場敷地内は開発現場から始まり、成形機の基礎を作る切削・板金加工をはじめ、熱処理、塗装、制御基板製造、組立など、全工程が社内で完結できる強力な設備力を有す。内製率は約70%であり、この高い内製率こそ顧客に対する柔軟な対応力につながっている。汎用性の高いスタンダートモデルがベースとなり、世界でたった1台の機械であっても、顧客の要望を取込みカスタマイズする事ができる。省エネ化やCO2排出削減を目的とし、成形品の軽量化や樹脂材料の使用量削減への取組で近年注目が集まる射出発泡成形オプションなども比較的安価に対応可能だ。

IoT の活用と、環境対応型樹脂に対応した新機種

 同社では効率的な省人化・自動化と環境問題への対応を重要な目標とし、成形機の開発に取り組む。10年以上前から業界に先駆け、成形機監視ソフト「T-Station」をはじめ、「T-RemoteWeb」「T-Cloud」を開発・運用している(Tは“TOYO”の頭文字)。事務所や他の拠点から、成形現場を遠隔モニタリングすることが可能となり、成形機の状態、成形品の状況、生産管理などをリアルタイムで操作・監視できる。

 今後の展望について、田畑氏は「中東や新市場に向けて射出成形機を展開していきたい」と述べる。これまでも中国、アメリカ、ロシア、イスラエル、トルコ、オーストラリア、ニュージーランドなど、世界各国に存在するローカル企業向けに自動車やIT関係部品、容器、農業用器具、注射器などを製造するための成形機を提供してきた。どんな地域においても、同様の価値提供と顧客ニーズへの対応を通じて事業を展開していく姿勢だ。

IPF では革新的新機種を発表

 2023年11月28日から開催されるIPFJapan 2023では、革新的な新機種を発表する予定だ。これまで述べてきたIoT技術に加え、新技術を導入し、従来機を大幅にリニューアルする。特筆すべきポイントは、樹脂の可塑化能力を汎用機として最大限に高めた点だ。これにより、成形加工性能の向上をはじめ、マテリアルリサイクルに対応する再利用樹脂の成形や、生分解性プラスチックや非石油系樹脂などの環境対応型樹脂の成形が可能となる。成形の幅が広がり、従来の成形では不可能とされていた素材や成形方法に対する制約が大きく緩和される。環境対応型樹脂成形を試みたいと考えている方は、ぜひ同社ブースへ足を運んでみてはいかがだろうか。

製品情報

  • 新可塑化システム搭載。多用途多目的成形を一台で。射出成形機 Si-7シリーズ

  • 高速加速度100Gを実現。Vシリーズのハイエンドダイカストマシン/BD-V7EXシリーズ

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