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現場負担をどう減らすか —林業の課題から見える「素材選定」の新しい視点と、社会と伴走するものづくりの在り方 

現場負担をどう減らすか —林業の課題から見える「素材選定」の新しい視点と、社会と伴走するものづくりの在り方 

株式会社豊栄工業

掲載企業株式会社豊栄工業

主要3品目
  • 金型・精密金属部品

  • 医療機器OEM製品

  • バイオプラスチック製品・各種プラスチック部品

林業現場では、人手不足や高齢化の進行により、作業工程そのものの見直しが求められている。とりわけ、防獣ネットに代表される獣害対策資材は、設置後も長期間にわたり管理や撤去作業が必要となり、現場負担の大きな要因となってきた。獣害防止という役割を終えた後も「回収・撤去」という工程が残ることが、作業者だけでなく地域全体の負担として積み重なっている。 

こうした状況は、単なる作業効率の問題にとどまらず、資材をどのような前提で選定し、持続可能な社会を目指す中でどのように使い切るのかという、ものづくりの姿勢そのものを問い直している。 

生分解性プラスチックによる新たなアプローチ—撤去を前提としない防獣ネットの実証評価 

この課題に対し、社会とお客様に寄り添った製品開発支援を行う株式会社豊栄工業(本社:愛知県新城市)は、生分解性プラスチック原料を用いた防獣ネット資材の実証評価を実施した。ネット本体だけでなく、アンカー、ロープ、結束バンドに至るまで、資材全体を生分解性素材で統一している点が特徴だ。これにより、防獣ネットは一定期間その役割を果たした後、土中で自然分解し、撤去・回収作業を不要とする運用を想定している。 

実証は、愛知県北設楽郡設楽町で行われた植樹イベントの場を活用し、地域関係者とともに実施された。実際の山林環境で高さ約2メートル、延長約100メートルの防獣ネットを設置し、施工性や安定性、作業負担などが検証されている。 

地域とともに進める実証という選択—現場・企業・地域活動の連携 

今回の取り組みが特徴的なのは、単独の技術検証にとどまらず、地域の森林保全活動と連動した形で実施された点にある。植樹イベントという地域活動の中で実証を行うことで、資材の機能検証だけでなく、林業関係者や地域住民の理解を得ながら進めるプロセスが重視された。 

林業は、行政、地域団体、事業者など多様な主体が関わる分野であり、技術や資材だけで課題が解決するものではない。現場で使われ、地域に受け入れられて初めて実装に至る。そうした前提に立った今回の実証は、社会と伴走するものづくりの在り方を具体的に示している。 

素材選定に求められる視点の変化—「役目を終えた後」まで含めた設計思想 

従来の資材選定では、「強度」「耐久性」「コスト」が主な判断軸とされてきた。しかし今回の取り組みでは、「役目を終えた後、現場や地域にどのような影響を残すか」までを含めた設計思想が採用されている。人手不足が進む中で、後工程を減らす設計は、現場負担の軽減と環境配慮の両立につながる現実的な選択肢となる。 

林業の現場で行われたこの実証は、単なる環境配慮型素材の紹介ではなく、地域社会と現場に寄り添いながら課題解決を図るものづくりの一つの形を示したといえるだろう。 

製品情報

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