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シャフト専門工場×摩擦圧接接合 最大50%の軽量化を実現、異素材接着で機能性付与も――株式会社JST 

シャフト専門工場×摩擦圧接接合 最大50%の軽量化を実現、異素材接着で機能性付与も――株式会社JST 

掲載企業株式会社JST

主要3品目
  • 超軽量シャフト

  • モータシャフト

  • クランクシャフト

摩擦圧接接合が生み出す、他社には真似できない中空シャフト 

株式会社JST(上手に シャフトを つくる専門工場)――アルファベット3文字の社名には、製造業に親しみを持ち、そして自分たちをもっと知ってほしいというユーモアが込められている。 

社名の親しみやすさに相反して、同社が持つ技術力は本格派だ。工学博士でもある代表取締役社長 秋山哲也氏が大学時代から研究し取り入れた摩擦圧接接合技術を駆使することで、他社では真似のできない中空構造の超軽量シャフトを作りあげた。

同社の接合技術であれば、従来の中実材から切削加工で作る中空構造よりも高精度が実現。全ての部位の肉厚を均等にすることができる。削り出しでは不可能な形状も実現可能だ。さらに異素材を接合することで、部位ごとに適切な素材を使用することもできる。軽量化だけでなく、機能性を付与することが可能なのだ。 

JSTの高度な技術により、従来と材質や外形デザインを変更することなくシャフトを中空化することが可能で、最大で50%もの軽量化を実現することも可能となっている。シャフトは回転する部品だけに、同軸度が重要となってくる。高速回転時のダイナミックバランス確保が必須なのだ。後工程で芯出しができないため、接合段階で同軸度を厳格に担保しなければならない。そこで同社は部材の同軸度を5/100以下の精度で接合させる技術を3年かけて開発。他社にはできないこの独自技術によって、中空の超軽量シャフトを作りあげているのだ。 

品質保証体制も万全だ。シャフトのダイナミックバランスを破壊することなく測定できる装置までも開発した。さらにAE(アコースティックエミッション)により超軽量シャフトの接合強度を確認できるAE検査機、UT(超音波探傷)で亀裂や空隙を検出できるUT検査機も開発し、中空構造の軽量シャフトの接合品質を保証。必要に応じて全数検査にも対応可能だという。品質保証体制を備えた中空シャフトの量産体制を整えているのも、同社の技術開発力があってこそなのだ。 

機械加工の常識を変えるポテンシャルを持つ「摩擦圧接接合」 
今後の需要拡大に期待

摩擦圧接接合は日本では主に建築資材の接合に使用されており、機械加工分野では導入が進んでいない。しかし技術自体は1960年代ソビエト連邦が軍事需要のために生み出した接合技術であり、諸外国では軍事用途含めさまざまな分野で採用されている実績のある技術なのだ。摩擦圧接接合は、摩擦熱と圧力によって連続塑性変形を発生させることで接合する技術で、溶接とは異なり接合面は固相接合しているため強固な接合力を持つ。 

現在では水力発電所のシャフトやポンプ、モーターなどで採用されているものの、まだまだ知られていない技術だけに、需要を生み出せていないことが課題だ。「実際にテストしたうえで、現状の工法では効率が悪くても、摩擦圧接接合ならば簡単にできると提案していますが、新しい工法だけになかなか採用に至らない。実際に、この部品なら摩擦接合を使えばいいのにと思うことはたくさんあります。」と秋山社長。秋山社長が理事を務める一般社団法人摩擦接合技術協会を始め、JSTでも摩擦圧接接合を普及すべく活動している。内径ギアなど、現在では機械加工が難しい形状の製造方法をより効率的にし、生産性を大きく向上させる可能性を秘めているのだ。従来の機械加工の製造方法を大きく変える可能性を秘めているだけに、技術が浸透し、活用の場が広がっていくことに期待したい。 

製品情報

  • JSTの由来:上手にシャフトをつくる専門工場 モータ・ポンプの軽量化・小型化に貢献する技術**

  • 超軽量シャフト (電動車両の走行モータ用軽量シャフト) 【炭素鋼・合金鋼】

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