業界特集
株式会社 メイホー
掲載企業株式会社 メイホー
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主要3品目
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小物精密プラスチック成形金型
小物精密プラスチック成形加工
小型射出成形機
シリコーンと異素材接着技術
液状シリコーンの射出成形技術を持つ株式会社メイホーが挑戦しているのは、シリコーンと異素材の接着技術だ。シリコーンとプラスチックや金属・ガラスとの接着の実績を持つ。研究機関などと協力して進めているのは、PDMS製マイクロ流路をガラスに接合させる技術だ。薬品検査用の回路に用いられる。接着剤や溶剤は用いず、プラズマを用いて界面を活性化させて接合する。分子レベルで結合するので強度も強く、不純物が混じることがない。また、光技術を持つ機器メーカーと共同で行っているのは、VUV(真空紫外)を用いた接合技術だ。プラズマと同様な接合を行うことが可能となっている。

一般的にはこうしたマイクロ流路の製品はプラスチック成形で製造されていることが多い。だが、同社は液状シリコーンを射出成形でき、ナノインプリントなど、他社にはできない技術をすでに持っている。粘度の低さを生かしてプラスチック射出成形では難しい微細な流路も再現可能だ。プラスチック製品では金型が必要となるため少ロット生産には適さないが、シリコーンならば少量から対応が可能。透明度も高く、高熱にも耐えられる。現在では大学や研究機関向けに行っており事業化には至っていないものの、技術としては着実に実績を積んでいる。量産化に向けた課題がないわけではないが、プラスチックと住み分けしつつも今後の需要が望める技術である。
インサート成形とイトロ処理などの接合技術を組み合わせて量産化も
プラスチック部品をインサートし、シリコーンに接合材を混ぜて成形することで強固に接合された部品の量産実績がある。携帯電話のバッテリーカバーの防水パッキンとして採用され、車載部品コネクタなどにも採用されている技術だ。インサート成形のため、組立も不要。品質向上だけでなく、工数削減と不良率低減に貢献している。
また同社にはイトロ処理設備も備えている。イトロ処理とは、火炎を用いた表面処理方法のことだ。同社では金属とシリコーンの接合、熱可塑性樹脂とシリコーンの接合に実績を持つ。自社開発の超小型射出成形機で金属フレームにインサート成形することでシーリング加工を行うことも可能だ。製品ごとの特性や用途によって、さまざまな方法の提案を行える準備がある。
量産化においては、自社工場での部品製造だけでなく、特殊な小型射出成形機の開発・製造も同社の得意分野なのだ。液状シリコーン樹脂を成形できる成形機も自社開発しているというから驚きだ。大手メーカーには難しいニッチで特殊な機械を、開発から対応可能。装置でも顧客のお困りごとに対応できるというわけだ。

R&Dセンターと熟練技術者
相乗効果で他社が挑まない領域へ踏み込む
他社ではそもそも対応ができないような技術・研究案件に取り組む社風こそが、メイホーの特徴なのだ。数十年も前から自社内にR&Dセンターを備え、新しい挑戦を続けている。そして開発だけでなく、製品製造と機械開発・製造を行っている企業だからこそ、量産までもスムーズに移行できる。プラスチック成形の特級技能士も1名おり、金型技術者も多い。大企業にはないフレキシブルな体制と、新しい技術や取り組みに果敢に挑戦し続ける気概。顧客に寄り添い、共に課題に立ち向かい、クリアしていく確かな技術力。それこそがメイホーの強みなのだ。「持ち込まれた課題が、量産化までつながることはそれほど多くはありません。ですが、それが当社のノウハウにもなりますし、新しい仕事にも繋がる。他社ではお断りされてしまうような新技術でも、ぜひお声をかけていただければ」
