業界特集
株式会社米川製作所(神奈川県横浜市)
掲載企業株式会社米川製作所
-
主要3品目
-
精密板金部品
ゲーム機部品
医療機器部品
-
従業員数
25 人
『YONEKAWA』に頼めば、納期は間違いない ― この客先の評価が、信頼の証だ。株式会社米川製作所は納期遵守率100%を達成している。「喜んでもらった。助けてもらった。そういう評価がないと仕事は続いていかない。危機感を持ちながらやっています」と代表取締役の米川哲央氏は語る。
横浜市港北区に会社を置く同社は、主にアミューズメント機器や業務用印刷機、医療器などの部品の製造を行っている。かつてはインベーダーゲームを製造しており、現在はUFOキャッチャーの需要が高いという。さまざまな業界の部品を製造しているが、同社では筐体などの大きなものではなく、中~小型のパーツ製造を主に担当している。メーカーの工場と直接やり取りすることは良い製品を作り上げる上で必要となる。メーカーに品質や技術を保証すると共に社員のスキルアップのために、国家技能検定などの習得支援を行っているという。メーカーを筆頭に、いくつもの調達先が部品製造を担い、1つの製品を作り上げる。そうしたものづくりの体制の中で、コミュニケーションは欠かせない。確かな技術力と経験の蓄積のみならず、話しやすい和やかな雰囲気も同社の強みだ。現場経験の少ない設計担当者が多くなっている中で、同社のように提案を行える会社が日本のものづくりを支えているのだ。
一方で、現在は設備力が重視される。設備がなければ、大手メーカーから受注を得ることは難しい。同社も積極的に最新設備を導入している。製造業の課題である人材不足は今後さらに懸念される。そのためにも部品の自動化を進めているが、自動加工機は大型化が進み、横浜市に置く工場では広さの問題もある。ソフトウェアを活用しながら、いかに効率的な製造を行っていくかが課題だ。
同社の製品はリピート率が高いことも特徴の1つだ。受注部品が多いことで、取り扱い点数も増え。取引先とは付き合いが長く続いているという。納期と品質への信頼度が高いことが伺える。しかし懸念点もある。リピート品や、小さな部品を一つ一つ価格交渉するには大きな労力がかかる。生産管理システムと連動させ、見積の工数を下げていくことが今後の目標だ。
米川氏は、当社は特徴がないと謙遜しながらもこう話す。「うちの設備でできるものであれば、どんなものでも基本チャレンジします。それでできれば作れるものがどんどん増えていくことになる。今後やってみたい分野は食品製造機械ですね」。米川製作所は、納期を守り、しっかりとコミュニケーションを取る。誠実なものづくりで日本の製造業を支えている。