中小製造業のWEBマーケ事例
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加工の強みPR×丁寧対応で商談が続くWEB活用術 ~更新力と人柄が信頼を生むクロス戦略とは?~
近畿防蝕 株式会社
掲載企業近畿防蝕 株式会社
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主要3品目
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めっき
研磨
溶射
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従業員数
60名
技術PR・更新力・人柄発信が生む「選ばれ続ける理由」
近畿防蝕株式会社は兵庫県三木市に本社を構え、重電や造船業界を中心に、最大7mの長尺大物から手のひらサイズの精密部品まで、幅広くフレキシブルに対応するめっきメーカーだ。独自のマスキング技術による複雑形状への対応や、長年培った経験に基づく提案力に強みを持ち、全国の多様な業界から依頼を受けている。 同社の営業活動は、年2回の展示会とエミダス・HPを中心としたWEBマーケティングのみ。それでも定期的に新規のお問い合わせが入り、次回の商談へとつながっている。今回は、運用を担当する田代氏と野口氏に、WEB活用の裏側について詳しく伺った。
幅広い強みをWEBでPR 毎日更新で1100件の技術製品情報
めっき業界では、新しいめっき会社へ切り替えることが大きなリスクとなる。そのため新規受注が起こりにくい傾向にあるが、同社は毎年2~3件の新規案件をWEBから安定獲得している。
鍵となっているのが、エミダス・HPを通じた積極的な情報発信だ。2021年当時は2名だった運用体制は現在3名に増え、毎日更新を継続。2025年12月時点で、掲載された技術製品情報は約1100件にのぼる。これらの情報が検索からの入り口となり、「大物めっき」「特殊マスキング」「細やかな納期対応」など、多様なニーズに応えるWEB資産として機能している。
技術以外にも伝えたい、会社のキャラクター性
実は初回お問い合わせの裏側には、もう一つの“ひと手間”が働いている。それがInstagramだ。
同社は2025年5月からInstagramの毎日更新にも力を入れている。エミダスやHPで技術力は伝わるが、会社の雰囲気や担当者の人柄までは伝わりにくい。そこでInstagramでは、社内サークルの活動や日常の一コマなど、会社のキャラクターが見える投稿を行っている。
投稿にはエミダス技術情報へのリンクも添え、雰囲気と技術をセットでPR。展示会では相互フォロワーの来訪や、「インスタ見てます」という声が増え、確かな手応えを感じているという。 技術PRとInstagramの掛け合わせにより、初めての発注先に問い合わせる心理的ハードルを下げ、安心感を持って問い合わせてもらえる仕組みができている。
新規お問い合わせを次回の相談につなげる 対応力の秘密とは
新規受注が次回商談につながる理由には、独自のマスキング技術や仕上がり品質、ブラスト・研磨・めっき・仕上げまで一貫対応できる体制など、技術的な強みがある。しかしそれ以上に大きいのが“初回対応の丁寧さ”だ。
2019年には社内に研究室を設置し、膜厚や硬度の確認、要求スペックを満たすための検討など、細やかな品質検証を行っている。田代氏はこう語る。
「顧客は新規お問い合わせ時の対応をしっかりと見ている。手前みそだが、丁寧に親切に対応するよう心掛けている。めっきをして終わりではなく、膜厚や仕上げについてしっかりとセッションを行う。そうすると2回目からは相談事が増えてくる。」
初回から“安心して相談できる会社”と感じてもらえることが、商談のループを生んでいるのだ。
☆Point! 毎日更新のコツとは
田代氏:
「毎回新規投稿を作るのは労力がかかる。中西さん・大川さん(エミダスサポート)の助言を基に、古い記事のリメイクやテンプレート化で無理なく継続できる仕組みをつくった。AIの活用も進んでいる。」
野口氏:
「毎日必ず決まった時間に確認する。何があっても“触る”。ルーティン化で継続が途切れない。」
100年企業へ──WEBが支える“選ばれる理由”の進化
強みPR × 丁寧対応 × 人柄発信という三本柱が、近畿防蝕のWEB戦略を支えている。1945年の創業から今年で80周年。100年企業が見えてきた今、田代氏は「今後もエミダスとHPを営業の柱としてさらに活用していきたい」と語る。

近畿防蝕株式会社ではニッケル・銀・錫など合わせて20のめっき槽がある

