業界特集
東邦化研株式会社
掲載企業東邦化研株式会社
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主要3品目
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真空蒸着
イオンプレーティグ
PVD
埼玉県越谷市に本社を構える東邦化研株式会社は、イオンプレーティングを中心としたPVD/CVD受託加工部門を持つ国内でも数少ない企業だ。1953年の創業当初は主に織物の染色を手掛けていた同社だが、時代の変化に伴い1981年にイオンプレーティング部を発足。祖業から派生した環境分析・材料分析部門と合わせ現在では主力3事業の一角をなす。部門発足以来40年以上の実績と対応膜種の広さが高く評価され、先端産業からの引き合いが多いという。自社内に材料解析部門も持つため、素材や表面性状に関する課題に一貫対応できるのも大きな強みだ。

40年のノウハウで最適な成膜法を提案
東邦化研株式会社が手がけるイオンプレーティングとはどのような技術なのか。イオンプレーティングとは、真空下で材料を加熱することで気化させ、コーティング対象物に薄膜を形成するPVD法(物理気相成長≒被膜材料が物理的に対象物に移動し被膜を作る成膜法)の一種だ。真空蒸着と基本原理は同一だが、蒸発した粒子が対象物に付着する際のエネルギーに大きな違いがある。イオンプレーティングでは、粒子が対象物に向かっていく途中で高周波コイルとアルゴンガスによって作られたプラズマの中を通過する。この際に粒子はプラスの電荷を帯びたイオンとなり、マイナスに加圧された対象物に引き寄せられながら加速して飛んでいく。このため真空蒸着と比べて強いエネルギーで付着するため、真空蒸着よりも密着性の高い緻密な膜を作ることができるのだ。また、装置内に酸素や窒素等のガスを導入しながらコーティングすることで、酸化膜や窒化膜といった反応膜も作ることができる。


もちろんデメリットもある。粒子が勢いをもって対象物に付着することで、表面性状は真空蒸着に比べて若干粗くなる傾向にある。つまり、表面の平滑さが重視されるミラーなどの部品では真空蒸着のほうが適している場合があるのだ。「弊社は40年の経験の中で得た様々なノウハウを保有しています。イオンプレーティング部と名乗ってはいますが、特定の成膜法にはこだわらず、お客様の『やりたいこと』に合わせて最適なものをご提案しています」と同社担当者。
4つの成膜法×多様な膜種の組み合わせから生まれる無限の可能性
同社ではこのほかに、スパッタリングとプラズマCVDによる薄膜加工も取り扱っている。スパッタリングは材料にアルゴンイオンを衝突させ材料原子をたたき出すもので、はじき出された原子が直接堆積し被膜を作るため加工毎の再現性の高さに優れている。プラズマCVDは、プラズマが励起された装置内に被膜化したい材料を含むガスを導入し、化学反応を起こすことで薄膜を形成するというものだ。プラズマCVDでは1つ1つの粒子が細かくなるため付きまわり性が高いほか、低温で成膜できるのも大きな利点だ。いずれの成膜法にもメリットとデメリットが存在するため、同社では成膜法ごとのリスクも踏まえながらアイテムに合わせて最適なものを提案している。この豊富な選択肢が同社の大きな強みなのだ。


さらに驚くべきは、豊富な選択肢は工法だけでなく材料や対象物にも及ぶということだ。同社では過去に40種類以上の元素(化合物も含む)で成膜の実績がある。対象物についても幅広く、金属やセラミックス、ガラスのほかに樹脂フィルム(ポリカーボネートやPET)にも対応している。「弊社では『人体と環境に影響が無ければ』あらゆる膜種にチャレンジします」と担当者は胸を張る。これまで未経験の膜種も積極的に受け付けているという。



受託イオンプレーティング加工として40年にわたり確かな実績を積み上げてきた東邦化研株式会社。4つの工法とあらゆる膜種の組み合わせが生み出す無限の可能性は、今後も製造業界の課題を解決していくに違いない。



