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ゴムは「縁の下の力持ち」 蓄積された実績と、試作・開発に積極的な姿勢が新たなビジネスチャンスを切り開く――高石工業株式会社

ゴムは「縁の下の力持ち」 蓄積された実績と、試作・開発に積極的な姿勢が新たなビジネスチャンスを切り開く――高石工業株式会社

高石工業株式会社

掲載企業高石工業株式会社

主要3品目
  • 工業用ゴム部品 試作・量産

  • Oリング・ガスケット

  • 金属・ゴム一体成形品

日本のゴム産業と共に成長を続ける老舗企業 

 創業は戦後間もない昭和23年(1948年)。大阪府茨木市に本社を置く、ゴム製品製造の老舗企業が高石工業株式会社だ。三代目となる代表取締役社長 高石 秀之氏は、子どものころに見かけた光景を語る。「ゴムが普及する前は、牛革を使ったOリングやパッキンを作っていたようです。工場内に革のシートが積みあがっているのを見た覚えがあります。私が子どものころは、まだ作っていたのかもしれません」同社の歴史は、日本におけるゴム素材の普及・発展と共にある。ゴムはまさにノウハウの蓄積がものを言う。原材料にさまざまな薬品を加えて練り上げ、物性の向上や特性付与、または成形性を良くする。「ゴム会社はそれぞれ秘伝のレシピを持っている」と言うが、成形技術だけではなく、素材開発能力が評価されているからこそ、同社は長く、そして多くの企業から支持され続けているのだ。 

ゴムと金属の一体成形
品質の作り込みと他社にない技術・開発力で選ばれる企業へ 

 高石工業株式会社が製造しているのは、水道やガスといった住宅設備関連製品が多い。水回りやガス機器、現在では家庭用燃料などにも同社の製品は使用されている。ゴムはまさに「縁の下の力持ち」。人々の生活に密着し、毎日使用するものだからこそ、品質と実績が重視されるのだ。 

 同社では、金属などの異素材とゴムを一体化させた部品製造も行っている。金属とゴムの焼き付け成形によって、金属の強度とゴムのしなやかさを融合させることが可能だ。後加工で接着させるわけではなく、コンプレッション成形によるインサートで製造するため、生産工程の短縮化にも貢献する。部品点数の削減だけでなく、接着不良などによる品質のばらつきを減らすことにも繋がる。こうしたゴムと異素材の焼付成形技術を持つ企業は多くない。同社では独自のノウハウと長い量産実績を持ち、顧客要求事項を満たすための材料選定から形状、金型構造にいたるまで最適な方法をサポートしてくれる。まさに「縁の下の力持ち」の役割を担ってくれるのだ。ゴムと金属のメリットを最大限に生かす一体成形品は、バルブ機構・水まわり部品・機械要素部品などさまざまな分野で採用が進んでいる。 

試作・開発案件に積極的な姿勢が、水素ステーションの課題解決へ導く 

 次世代エネルギーとして注目されている水素。その水素ステーションにも同社の技術が用いられている。きっかけは、大学教授からのゴムの試験片試作の依頼からだったという。ゴム製造業界は、独自のノウハウが重要であることから、開発案件や新規事業にあまり積極的ではない企業も多い。何社にも断られた教授がたどり着いたのが高石工業だったのだ。大学と協力し、何十種類ものサンプルを作成。苦難の末、耐水素用ゴム材料の開発に成功したのだ。そしてそこから水素ステーション用Oリングの開発へとつながったという。 

 同社はゴム製品の量産だけでなく、各種性能評価試験機器や分析装置を持ち、こうした材料開発支援を行っている。高石社長は言う。「新素材の開発だけでなく、異素材接着も金属だけでなく樹脂とゴムやガラスとゴムなどの試作経験もあります。新しいものにもぜひチャレンジしてみたい。住宅設備関連だけでなく、お気軽に声をかけてください。」 

掲載会社情報

高石工業株式会社

高石工業株式会社

所在地
〒567-0897 大阪府茨木市主原町3-18
TEL
072-632-3365
FAX
072-635-1287
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