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板金加工業がDXで元気になれるかどうかは企業次第だが、未来は明るい!

板金加工業がDXで元気になれるかどうかは企業次第だが、未来は明るい!

株式会社アルファTKG
代表取締役社長 高木 俊郎 氏

掲載企業株式会社アルファTKG

主要3品目
  • AI&ロボ図面管理®ソフト、ドキュメント管理ソフト

  • 工程管理ソフト(工程NAVI)、生産管理ソフト

  • 2D/3D CAD、人工知能ソフトライブラリ

溶接製品の検査や成績書作成を自動化できるシステム

 中堅・中小製造業向けDXシステムなどを展開する株式会社アルファTKGは、2025年2月5~7日にタイで開催した「ユアサグランドフェア in タイランド」(主催:ユアサトレーディング(タイランド))に出展した。ユアサ商事株式会社が主催するオリジナル展示会であり、今回は工作機械や省エネ設備などのメーカー206社が一堂に会し、6000人以上の来場者を集めた。ユアサ商事は2024年8月にアルファTKGへの出資を発表して以来、アルファTKG製品の販売パートナーとなり、地域密着型の営業展開を行っている。

 ユアサグランドフェア in タイランド会場で、アルファTKGはレーザー溶接機と協働ロボット、AIを組み合わせたシステムである「alfaJULIA W1500」を出展した。海外では初の出展だ。さらに今回、日本を含め世界初公開となるalfaJULIAシリーズの『検査ロボット』も展示した。この検査ロボットはアルファTKGの顧客であるタイ企業ジンパオ・プレシジョン・インダストリー(ジンパオ)と共に約1年かけて開発した。ファイバー溶接ロボットが作業した製品を自動検査し、検査成績書も自動生成するシステムだ。国内では2025年4月21日に、アルファTKGのプライベートセミナー内で正式発表してリリースする。

 「alfaJULIAの商品群を拡大することにより、お客様の製造現場の合理化、要するにムダを排除していくのと同時に、人間に依存してきた工程を自動化していきます」とアルファTKG 代表取締役社長の高木俊郎氏は話す。

 alfaJULIA W1500の売れ行きは非常に順調で、三松株式会社、株式会社ツガワ、株式会社マカベといった勢いある金属加工企業に導入された。「alfaJULIA W1500はお客様の評判が非常に良いです。ここで挙げた3社は全て追加オーダーを受けています」と高木氏は言う。「alfaJULIAでは、図面や加工情報から、ティーチングのデータまで全部クラウド上に保存されます。リピートオーダーの際は、 バーコードをスキャンすることで必要な情報を引き出し、熟練がかかわった仕事を新人が再現できるようになります。 そうした溶接DXのソフトウェアが好評です」

板金機械の未来は明るいが、デジタル技術でうまくいくかどうかは……?

 高木氏は、「板金機械の未来は、非常に明るい」と話す。半導体業界の景気はAI関連を中心に引き続き好調であると見られている。「このところの半導体製造の日本国内への回帰をしていることと併せ、円安の影響なども受けて、国内の精密板金加工の需要が増加していくと考えています」

 また「国内板金加工業においては、順調に売り上げを伸ばして最新設備を導入する企業がいる一方で、経営が苦境に立たされている企業もあると高木氏。後者の企業については、まず「事業継承者不在や人手不足が大きな原因」と言う。さらに「半導体の精密板金加工の多くの需要にしっかり対応できる生産キャパシティーを備え、社内で一貫してアセンブリに対応できるような企業でないと生き残りづらくなっている」とも。

 中小規模の製造業が限られた人員で、半導体関連の精密板金の需要に対応できるようにする際、現場の負担は非常に大きくなるのは、検査業務やドキュメントの整備だ。「それが、今回の検査ロボットのリリースを優先した理由の1つ」と高木氏は話す。

 「板金DXは、人手不足に対応するための自動化のための手段として必須。過去に培ったアナログなノウハウを差別化できる技術にして、われわれが提供するデジタル技術をエンジンにする。2025年は、アナログとデジタルのハイブリッドで、強い企業はますます強くなっていく」と高木氏。しかしそれは、「単にデジタル技術を導入すれば成功するということではない」ことも示している。

 「自社が育てたノウハウを生かすための人材や資金、仕事の確保といった問題に対処し、経営が整っている状態で、初めてデジタル技術やDXの価値が出る。今、苦境にある企業が奮起する場合は、相当な覚悟や強い志をもって改革に臨まなければならないのだと思います」と高木氏は言う。

 「例えば、若い方が、経営が苦しい事業を継承する場合、そのまま何も変えずに引き継いでいたら、残念ながら状況もそのままです。“会社の改革”というよりは、“新しくベンチャーを起業する”気持ち、あるいは本当に起業してしまう方がよいかもしれない。先代が築いてくれたものを生かすことができるので、一から創業するよりは楽ですよ」

 たとえ今、苦境にある企業であっても「希望と勇気をもって未来へ進むチャンスがたくさんある」と高木氏。しかし、チャンスを生かせなければ、そのまま消えてしまうかもしれない。変わると決意した時に、その背中を力強く押してくれるのが、デジタル技術やDXだ。

製品情報

  • AI搭載型-ファイバーレーザー溶接協働ロボット自動化(株)マカベ様 (株)ツガワ様 (株)フジプロテック様【アルファジュリア導入評価】動画

  • 2024国際ウェルディングショー出展 【精密板金業界の人手不足を解決する革新的なソリューション提案】

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