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工業用センサの専門メーカー精密機械式センサで精密性、耐久性を両立し、オーダーメイド対応も

工業用センサの専門メーカー精密機械式センサで精密性、耐久性を両立し、オーダーメイド対応も

株式会社メトロール
取締役 松橋 泰 様

掲載企業株式会社メトロール

主要3品目
  • 精密位置決めスイッチ

  • 空圧式 精密着座センサ

  • CNC工作機械用ツールセッタ/タッチプローブ

従業員数

121人

加工不良の削減や完全自動化を実現させる機械式センサ

 株式会社メトロールは工業用センサの専門メーカーだ。今やセンサは工作機械には欠かせない。自動化、省人化、精密化といった時代のトレンドでも必要不可欠な設備である。同社は2025年に創業49年を迎える、老舗センサメーカーなのだ。同社は位置決めに特化したセンサを1000種類以上製造販売。特に特徴なのはセンサは電気式ではなく、精密機械式であることだ。機械式であれば、電気式に比べ外部温度などの影響を受けにくい。またクーラントや切粉など、工作機械内の過酷な悪条件下でもミクロンの精度を保つことができるのだ。

 センサは価格幅の大きい製品でもある。安価なものであれば数百円で手に入る一方で、精密で高度なものならば数十万円ということも珍しくない。同社が目指すのは、精度や耐久性がありながら手に取りやすい価格帯だ。その上で付加価値をつけることを目指している。実際、精密化のトレンドの中で従来のものでは精度を満たせなくなったというメーカーから多くの引き合いを受けている。センサは製品単体で成立するものではなく、工作機械やソフトウェアなどの連携が必要不可欠だ。その上で、製造する製品や業界などによってニーズが異なってくる。「メーカーやユーザーの要望を聞きながら、柔軟にスピーディーに。オーダーメイド対応することも多いです。ぜひ声をかけてほしい」と取締役の松橋泰氏は話す。平面研削盤に2種類のセンサを搭載すること、段取り時間60%減、生産性を1.5倍を達成した事例もあり、研削加工の完全自動化に貢献している。

無線、防水、タッチプローブなど顧客ニーズを次々に実現

 現在メトロールが注力しているのが、ワークの芯出しや機上測定を行えるタッチプローブだ。自動化や後工程の削減がより実現できると期待されているが、海外製品は非常に高価なため、これまではハイエンド機でしか搭載できなかった。しかし同社はいち早く国産を実現し、市場拡大を目指している。操作性や保守コストを削減するための新機能開発も現在進行形で行っている。「一人困っているお客様がいたら、他にも困っているお客様がいる。そうすれば市場が広がっていくはずだという発想が根本にあります。面白い相談があればすぐに対応します。別の製品で開発したものを他の製品に生かすことができるのも、メトロールの強みです」と松橋氏。精度だけでなく、使いやすさなど現場の要望に細やかに対応している。

国産ながら低価格で提供するタッチプロ―ブ

 その姿勢は客先だけでなく、自社内にも向いている。社内の若手従業員たちの声に後押しされ、同社は生産設備を一新し、自動化を推進している。自社製品を使用して、本当にいいものかどうかを日々確認しながら開発を行っているのだ。人手不足、後継者不足は製造業全体の課題だ。経験値をデータ化し、属人化しないことが求められている中で、センサはこうした課題を解決するツールとなっている。メトロールは製造現場の声を丁寧に拾い上げながら、センサで日本の製造現場を支えている。

代表取締役 松橋 卓司 氏 

製品情報

  • 無線タッチプローブRCK3X シリーズは、CNC工作機械やロ ボットで、ワークの芯出しや加工後の寸法計測をします。 配線が難しい5軸加工機やロボットでも安定した通信が可能です。

  • ツールセッタは、切削工具やノズルの位置決めに使用される高精度タッチセンサです。 ツールの状態(長さ・欠損)を監視し、摩耗や熱変位による加工不良を未然に防止。 機内での自動計測により、手作業での段取り作業・加工不良を無くし、生産性向上を実現します。

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