業界特集
株式会社遠藤製作所
掲載企業株式会社遠藤製作所
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主要3品目
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リニアガイド / アクチュエーター摺動部品加工
インクジェットプリンターヘッド部品加工
環境分析装置関連部品加工
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従業員数
76
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年間売上高
- 15億円
株式会社遠藤製作所は、本社工場、国内第2・第3工場、ベトナム工場の三位一体を掲げている。それぞれの工場ごとにカラーが異なっており、それが同社の強みにもなっている。本社工場は量産工場だ。OA機器や半導体、産業機械やロボットなどの部品加工を行っている。同社の売り上げに占める割合は量産が7割を占める。2012年に立ち上げたベトナム工場でも量産を取り扱っており、その品質に差はない。コストや納期、キャパシティから本社工場・ベトナム工場をそれぞれ適切に振り分けている。日本を窓口として顧客の海外調達にも対応している。日本とベトナムの双方で同レベルの品質を保持し、同じものが作れるということは、顧客にとってもBCP、調達リスクの軽減につながっている。ベトナム工場は操業開始当初、日本からの注文がほぼ100%であったが、現在では現地での受注も増えてきている。2024年にはベトナム第二工場が稼働を開始。さらにキャパシティを増やし、受注拡大を進めている。
第2工場は試作や高い技術力を求められる製品に対応している。開発から入り込むことで、より付加価値を提供できているだけでなく、試作から量産までを一貫対応できる体制を整えているのだ。2023年に稼働を開始した第3工場は、イノベーションの場だ。コストダウンの施策やロボットによる省人化ラインの実験を行っている。日本でもベトナムでも、今後の人手不足は懸念材料となっている。5年後には夜間の無人操業を目標に技術革新にチャレンジ中だ。超短納期サービスも開始した。量産の既存のオペレーションと切り離し、営業部主導で対応できることで、新規開拓も進んでいる。超短納期で対応するためにはプログラミングが必要になってくるが、ベトナムとも交換留学を行いながら人材育成を進めることで、より短納期・キャパシティの強化を図っている。
それぞれの工場の個性を生かし、試作から量産、さらに海外調達までワンストップで対応できるスキームこそが同社の強みなのだ。代表取締役の遠藤聡氏は語る。「試作や海外工場は好奇心からのチャレンジでしたが、結果としてこうした体制を作り上げることができたことは、会社の成長にもつながりました。アイディアは笑われるくらいがちょうどいい。アイディアマンがリーダーシップを取れるような職場環境をつくり、新しいジャンルにも挑戦していきたいです」。