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AIで金型現場を効率化する日本産CAD/CAMの実力

AIで金型現場を効率化する日本産CAD/CAMの実力

株式会社 C&Gシステムズ(東京都品川区)

掲載企業株式会社 C&Gシステムズ

主要3品目
  • CAD/CAM

  • 生産管理

  • 受託開発

従業員数

220人

年間売上高
40億円(連結)

 株式会社C&Gシステムズ(CGS)は、CAD/CAMや生産管理システムなどの開発を手掛ける。1980年前後に設立された国産CAD/CAMメーカーのコンピュータエンジニアリング社(CE社)とグラフィックプロダクツ社(GP)が起源で、事業の歴史は40年以上に及ぶ。現社名となる以前からのユーザーも多く、「金型企業では、先代と当代の経営者の親子2代でCGSユーザーである場合もよくあります」と同社の商品企画統括部で執行役員の小泉哲氏は述べる。

 CGSは業界唯一の国産CAMエンジン(CAMでNCデータ作成時に内部で演算処理する中核の計算エンジン)開発元。CAD/CAMにおいて、疑似的な曲面をポリゴンで再現するポリゴン演算が一般的であるところ、同社CAMエンジンは設計形状の表面データを直接データとして扱えるサーフェス演算に対応している。滑らかな加工動作と高精度な面品位の確保に定評がある。

 2024年4月発売のCAD/CAM「CAM-TOOL V20.1」では、岡山大学らと共同開発した「AI切削条件算出機能」を標準搭載。データマイニング手法により、工具メーカーの大量な工具・切削条件や工具カタログデータに登録されていない被削材の材料物性値などを学習させることが可能で、切削工具の設定がボタンをひとつ押すだけで行える。新人加工技術者やオペレーターの作業支援になるとともに、「熟練技術者の方にも『答え合わせのつもりで使ってみてほしい』と勧めています」と小泉氏。また、同バージョンに搭載した工具の負荷を一定にして駆け上がり加工ができる新機能にもぜひ注目してほしいとのことだ。

 CGSとして力を入れているのが「工程管理システム」だ。コロナ禍でもDX関連ソリューションへの問い合わせが多くあったという。金型・部品製造向け工程管理システム「AIQ(アイク)」は、各種設備との接続が行え、実績収集機能が充実していることが特色だ。AIQは同社製の金型製造向けCAD/CAMシステム「EXCESS-HYBRID Ⅱ」とも連携して利用でき、高機能ながら中堅・中小製造業でも導入しやすいシステム構成と価格体系で提供している。自社開発ならではの柔軟なカスタマイズにも対応する。

 自動車関連部品の売り型を生業とする企業が多いCGSユーザーの事業環境は厳しい状況が続いている。大手自動車メーカーの今後の動向がまだ不透明な部分がありつつも、「2024年下期は、仕事が戻ってくることが期待できると思っています」(小泉氏)という。CGSにおいても2024年の連結売上高は40億円超えを見込む。日々、ユーザーから相談される課題の多くが、厳しい市場競争や人材不足を背景とした“さらなる効率化”への対応だ。今後は、測定器メーカーとも協業して、現場に負荷がかかっている品質検査業務の効率化にも取り組みたいという。

CAM-TOOLと牧野フライス製作所(マキノ)の5軸制御立形マシニングセンター「U2」によるサスペンションタワー。加工の様子はマキノのYouTubeアカウントから見られる。

製品情報

  • 高精度・高能率加工を実現する「CAM-TOOL」

  • NXアドオン 金型/金属部品加工向けCAMモジュール

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