業界特集
株式会社クライム・ワークス(東京都大田区)
掲載企業株式会社クライム・ワークス
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主要3品目
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開発試作(切削・樹脂成形/金型)
自動車、光学機器
航空機部品
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従業員数
75 人
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年間売上高
- 10 億円
株式会社クライム・ワークスは東京都大田区に本社を置く、金属・樹脂の試作から量産までをサポートする総合支援を得意とする企業だ。今期で34期目となり、30期までは試作開発にこだわってきたが、客先からの要望が多かったこともあり、2020年に長崎に量産ができる工場を新設した。
試作開発は東京本社で行われ、自動車や情報通信機器、医療工学系を手掛けてきた。量産は主に長崎工場で行われ、アミューズメント系部品やコネクターなどを生産しているほか、高品位な非量産車種の製造も行っている。
クライム・ワークスの射出成形は、試作開発で培った技術力とVA提案および一貫生産が強みだ。樹脂切削から射出成形への転換やコストダウンを実現し、受発注者どちらにとってもWin-Winな付加価値を実現している。試作・研究開発には時間とコストがかさむ。特に自動車は研究開発におおよそ3年かかり、その後量産となる。同社なら試作金型から量産金型へスムーズに移行できるため、量産までの時間を短縮できる。半導体関係も樹脂の活用が増えており主に樹脂切削で行われるが、射出成形への転換を提案し、切削では難しい工程の軽減やコストダウンを実現している。30年間試作開発を続けてきたからこそできる設計者目線の提案力は他の会社にはない強みだ。
クライム・ワークスの魅力は企業文化だ。「人が人として成長できる企業文化をつくる」という言葉を掲げている。これは、「会社とは仕事以外の礼節や心構えの部分でも成長できる場である」という同社代表取締役社長の山口誠二氏の思いからきている。「組織の成長は全社員の成長の総和であり、人間的な成長なくして企業の成長はできない。仕事ができるというだけではなくお客様と信頼関係を築ける真の意味での成長の場」として、最先端のモノづくりを通じて学び続けられる場所となっている。社長の思いに共感する人が多いからか、長崎工場は開所以来、地元の工業高校出身者を中心に、毎年5人以上の新卒採用を実施できている。これは受け入れる環境と体制が整っている証であり、毎年丁寧にやってきた成果だ。
クライム・ワークスは今後、設計から量産までの全てを支援できる会社を目指し、2030年には東京にR&Dセンターを開設する予定だ。同社は設計段階から機能やコスト、量産プロセスなどについて多くの提案ができる。開発試作はある一定の期間に成果を出さなければならないが、短期間で成果を出すのは難しい。クライム・ワークスは長い間培ってきた開発力と技術力で未来のモノづくりに貢献していく。