業界特集
株式会社岩本モデル製作所(大阪府寝屋川市)
掲載企業株式会社岩本モデル製作所
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主要3品目
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プラスチック試作モデル
真空注型(シリコン型・アクリル型)
アルミ簡易金型・射出成形
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従業員数
90名
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年間売上高
- 10億円
株式会社岩本モデル製作所は、1987年に試作品製造会社としてスタートした。現在は「モノ創り支援プロデューサー」として樹脂切削を始め、金属加工、金型成形、真空注型、ギア切削、塗装、印刷までトータルサポートの体制を整えており、幅広い分野で活躍している。依頼される業種はさまざまで、金型および成形が3割、樹脂切削3割、金属加工2割、その他を真空注型が占める。 岩本モデルの対応分野としては、これまで事務機器関係の仕事を多く請け負っていたが、近年はペーパーレス化の影響を受けて自動車や医療関係も増えつつある。
同社は試作や小ロット生産の対応中心で小回りが利く一方で最大10万個程度の量産にも対応している上、様々な素材に対応できる強みを持っている。開発分野にも注力しており、自動車関係を中心にトライがなかなかうまくいかない顧客に対しての改善提案も行っている。そのため生産体制についてもOEM(Original Equipment Manufacturing)からODM(Original Design Manufacturing)方式へと変化しつつある。
近年の新しい取り組みとして、半導体設備へ投資も進めている。切削事業の自動化や24時間体制の稼働も視野に入れながら、2023年9月にはミクロボ製ロボット走行システムを新規導入する。また2024年6月には住友重機械株式会社の250tの横型射出成形及び75tの竪型射出成形機、大きめのワークサイズが対応出来る安田工業株式会社の立形マシニングセンターも導入。これに先駆けてクリーンルームと碌々産業株式会社製の高精度高速小径微細加工機を導入し、これまで以上に対応分野が広がる見込みだ。
また、同社では食品とプラスチックの融合を試みたユニークな事例もある。ネギ農家から提供を受けた廃棄予定のネギの青い部分(葉身)を粉末状にしたものをプラスチックに混ぜ込み、猫除けグッズを試作したことがある。顧客の要望に寄り添い、未知の分野にも積極的に挑戦している。
営業人員が社員の1割ほどということもあり、今後は営業体制の見直しも検討している。自社の技術をオープンに提示しながら、顧客と共に最適な回答を探っていくため、展示会やWebページの活用にも力を入れていく方針だ。
ミクロボ製ロボット走行システムの例(参考画像)