業界特集

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目指すはイオン窒化ナンバー1

目指すはイオン窒化ナンバー1

八田工業株式会社(大阪府堺市)

掲載企業八田工業株式会社

主要3品目
  • 真空熱処理

  • イオン窒化処理(プラズマ窒化処理)

  • サブゼロ処理

従業員数

30 人

 八田工業株式会社は、大阪堺市という歴史ある工業都市を代表とする熱処理メーカーだ。熱処理メーカーは地場産業と密接なつながりを持つ。代表取締役の隅谷賢三氏は「『泉州LOVE』です。地域の発展なくして、企業の発展はありません」と地元泉州への愛を隠さない。かつて自転車部品の熱処理を得意としていたが、国内での需要がなくなり大きな打撃を受けたが、業種や業界を絞らず地場に根付いた堅実な経営を続ける。現在はステンレスの焼き入れ、焼き戻し技術を得意とし、工作機械や測定器、刃物などさまざまな金属部品の熱処理を行っている。

 堺は刃物の町としても名高い。同社は地域でもいち早く刃物製品の真空熱処理を始めた。包丁やハサミといった刃物の熱処理のノウハウは蓄積され、全国からの注文に応えている。現在では趣味としてカスタムナイフを作っている人もおり、個人からの注文も入るという。利益の上がるものではないが、熱処理を身近に感じてもらうための事業として継続している。

 熱処理メーカーは、窯の火を落とすことが難しいという設備的な問題もあり、24時間稼働をしているところは少なくない。だが同社は稼働だけでなく、24時間受付の対応もしている。「『いつでも開いている』という安心感を提供したい。気軽にお声がけいただける雰囲気、ユーザーフレンドリーを心がけています」と隅谷氏が語るように、客先とのコミュニケーションを重視している。

 「イオン窒化処理ナンバーワンを目指します」――隅谷氏は熱く語る。熱処理は強度、耐食性、耐摩耗性など、母材そのものの物性を強化することができる。イオン窒化によるプラズマ熱処理はガスに比べ低温で処理することができ、母材の表面は美しく高精度の処理が可能だ。熱処理はまだまだ職人の感覚的なところがある。計測機器の技術が向上し、細く小さなものでも管理・評価できるようになっているが、熱処理の分野はまだまだ夜明け前だ。これからさらに技術進化の余地がある。「金属は今後も重要な部品などには欠くことのできない材料です。薄い金属でも熱処理や表面処理の複合技術によって物性を上げることができれば、軽量化にも貢献できます。低侵襲化で、より細い針が求められているように医療分野でのニーズも期待できる。熱処理をもっと科学的なアプローチから発展させ付加価値をつけていきたい」と隅谷氏が語るように、金属3Dプリンタなどの新技術が出てきた現在、熱処理には新しいニーズがある。「鉄の本質・性質を生かす熱処理はやりがいがあります。鍛冶屋が儲かる、子どもたちが憧れる仕事にしていきたい」。隅谷氏の熱処理への情熱の火は美しく、細く長く燃える。

掲載会社情報

八田工業株式会社

八田工業株式会社

所在地
〒599-8265 大阪府堺市中区八田西町2丁18 番40 号
TEL
072-277-7227
FAX
072-277-8960

製品情報

  • 加圧冷却

  • 浸炭窒化処理(イオン窒化)

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