中小製造業のWEBマーケ事例
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WEB活用で製造業の価値を再定義する ―WEB発信を組織力に変える!ブンリが挑む製造業マーケティング改革―
株式会社ブンリ
掲載企業株式会社ブンリ
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従業員数
160名
■環境貢献と現場密着で信頼を築く、ろ過装置専業メーカー・ブンリの強み
株式会社ブンリは、クーラントろ過装置の開発から製造、アフターサービスまでを一貫して手がける専業メーカー。創業から65年にわたり、累計26万台の出荷実績を築いてきた。自動車・半導体・航空機など、幅広い業界の切削・研削加工現場で導入されており、海外への出荷比率も年々高まっている。
製品設計では、「環境に貢献する機械」をキーワードに、廃棄物を削減できる“フィルターレス”構造を積極的に採用。現場の加工条件や精度要件に応じて最適な仕様を選べる柔軟性や要望以上の提案をする点が評価されている。


また、加工環境が1社ごとに大きく異なる中、同社は開発・設計・製造・販売・アフターを内製化し、オーダーメイド対応を可能にしている。現場の困りごとに応じて、営業と技術が一体となって最適な解決策を提案するスタイルは、取引先からの信頼を支える大きな要因だ。
顧客接点においても、単なる製品紹介ではなく「まず話を聞かせてください」という姿勢を大切にしており、無料相談や現場訪問を通じた関係構築に力を入れている。製造現場の課題に“町医者”のように寄り添う姿勢こそが、ブンリの活動の原点といえる。
■エミダスを軸にした社内発信文化の定着と、成果につながるWEB戦略

ブンリがWEBマーケティングに本格的に着手したのは、NCネットワークが事務局を務める「ものづくりなでしこ」の活動に参加したことがきっかけ。初期はプロライト会員として取り組みを進めていたが、更新が継続できず成果も見えづらい状況が続いていた。
そこで、より手厚い支援を受けられるプロ会員へと移行。専属スタッフとの連携のもと記事投稿やSEOキーワードの最適化、コンテンツ設計など継続して取り組んだ結果、活用は一気に加速。移行からわずか5カ月でアクセス数が10倍にまで増加した。さらにその後も、アクセス数や引き合いは右肩上がりを維持し、約1年で213件のカタログダウンロード、25件の問い合わせ、7件の実受注を獲得するなど大きな成果を生んだ。

エミダスの活用をきっかけに、社内でも“情報発信は一部門の仕事ではない”という意識が広まり始めた。社内のエミダス担当を中心に、製造や技術部門などからも積極的にネタ提供が行われるようになり、記事制作が組織的に進む体制が構築されている。
記事内容も、製品紹介だけでなく、現場のちょっとした加工工夫や新しい試みに関するトピックなどを柔軟に取り上げる。アクセスレポートは定期的に全社員へ共有され、「どんな発信が反応を得られるのか」を社内で検討する機会にもなっている。
このようにエミダスを通して社内コミュニケーションの活性化が進み、全社一丸となって、「ブンリの認知度向上と売上拡大を目指そう」という意識改革へとつながっている。
また、こうした変化の背景には、NCネットワークが主催する工場見学会の存在もある。経営層が参加するこのイベントでは、異業種の現場に触れることで視野が広がり、新たな発想や気づきが生まれている。同じ志を持つ参加者の挑戦する姿勢や学びへの意欲に刺激を受ける場面も多く、交流を通じて関係が広がるきっかけにもなっている。
今後、ブンリはエミダスと自社サイトの連携を更に強化し、専門家の知見を借りたAI活用やデータ分析によるマーケティングの高度化にも着手していくという。顧客との接点を増やすだけでなく、製品・技術の理解を深める導線として、WEBの役割をさらに拡張していく方針だ。
WEB発信は、単なる営業手段ではなく、企業文化としても根づきはじめている。
株式会社ブンリはこれからも“製造業におけるWEB活用のモデル企業”として、次のステージを目指していく。
