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カーボンファイバーをもっと手軽に、サステナでカラフルな付加価値を よくばりな要望も、環境配慮も叶えるプラスチック素材メーカー 

カーボンファイバーをもっと手軽に、サステナでカラフルな付加価値を よくばりな要望も、環境配慮も叶えるプラスチック素材メーカー 

日本ポリマー産業株式会社

掲載企業日本ポリマー産業株式会社

主要3品目
  • 炭素繊維チョップドファイバー/ミルドファイバー

  • 炭素繊維ペーパー/フェルト

  • 炭素繊維強化プラスチックペレット

サステナブルで高付加価値なカーボンファイバー 

 繊維状のフィラー材を配合した繊維強化樹脂ペレットは、高機能・高付加価値素材として注目の素材だ。通常の樹脂に配合することで、強度や耐熱性を向上させることのできるこうした材料は、射出成形でも多く使用されている。現在ではスポーツ用品やアウトドア製品、ロボットや建築部材、さらに半導体関連など用途拡大が進んでいる。フィラー材にはガラス繊維や炭素繊維などさまざまな種類があるが、その中でも炭素繊維加工製品を取り扱っているのが大阪府摂津市に本社を置く日本ポリマー産業株式会社だ。 

 日本ポリマー産業株式会社が扱うメイン商材はチョップドファイバーやミルドファイバーだ。これは特性を強化する目的で、配合剤として熱可塑性樹脂にコンパウンドして用いられる。大手炭素繊維メーカーは、CFRPなどの用途で繊維をそのまま長い状態で使用する材料の供給や加工は行っても、射出成形に適した短繊維への加工は行っていない。そこで同社は、バージンとして使用できない炭素繊維の工程端材を引き取り、炭素繊維をサイズ剤で収束。さらに特定の長さに切断するなどの加工を行っているのだ。通常は廃棄されてしまう炭素繊維を原料にしているということで、サステナブルであると同時に、射出成形樹脂に新しい機能と価値を付与しているというわけだ。 

 日本ポリマー産業株式会社は2026年に創業60年を迎える老舗企業であり、炭素繊維の取り扱いは20年にも渡る。炭素繊維の将来性に注目した同社は、独自に調達を開始。さらにもともと持っていた樹脂に機能性を付与するコーティング技術を生かし、炭素繊維を樹脂の原料として供給できる体制を作り上げた。短い炭素繊維を扱うことのできる企業は少なく、知らず知らずのうちに同社の製品に触れている人も多いだろう。同社の強みは、日本企業だけでなく海外企業からも広く原料の炭素繊維を調達できる点にある。材料のクオリティだけでなく、安定した供給を行うことができるのも、同社が築き上げた大手炭素繊維メーカーとの強い信頼関係があってこそなのだ。 

時代のニーズを先取り
CFRPの廃棄問題にも対応 

 炭素繊維を扱う企業として確固たる地位を確立しながらも、同社は次々に新たな展開を行っている。その一つが風車や水素タンクなど、すでに一度製品として完成した炭素繊維製品のリサイクルだ。炭素繊維製品はこれまで埋め立てなどで廃棄されるしかなかったが、同社は焼成炉で熱処理することで再利用する体制を確立。事業としてはまだまだこれからの分野ではあるが、今後必ず課題となってくる炭素繊維製品の廃棄問題に、同社はいち早く対応する体制を整えているのだ。 

より気軽にカーボンファイバーを
樹脂ペレット生産・開発会社を設立 

 炭素繊維を用いたくても、ネックになるのが樹脂材料やコンパウンドメーカーのMOQなどの問題だ。基本的に樹脂材料はロットが大きく、中小規模のメーカーではなかなか使用することが難しい。こうしたユーザーからの声を受け、同社では2025年1月、樹脂ペレットの開発会社であるオクトカーボンワークスを新たに設立した。より気軽に炭素繊維樹脂にチャレンジできるようサポートしてくれる。さらに通常の炭素強化樹脂は黒という常識を覆し、カラーバリエーションも用意するなど「他ではやらないちょっとおもしろいこと」を実現。医療分野でも活用が広がるなど、炭素繊維樹脂の活躍の場はまだまだ広がっている。 

 「カーボンイコール高いというイメージを払拭し、手軽に触れてもらえるようにしたい。食品衛生も取得しているので、さまざまな用途に使えるはず。少量の試作から技術的なサポートも含めて対応しますので、ぜひ声をかけてもらいたい」 

製品情報

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