業界特集
株式会社メデックグループ(北海道函館市)
掲載企業株式会社メデックグループ
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主要3品目
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省力化機械、半導体製造装置の設計、製作
精密部品機械加工
機械器具販売
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従業員数
260人
北海道函館市に本社を置く株式会社メデックは、半導体製造設備の設計・開発を行っている。グループ企業である株式会社プロメックは精密機械加工を行っており、自社開発の装置に用いる部品はグループ内で完結する。さらに同社ではハードウエア開発技術と連携したアプリケーションソフトの開発、生産工場の機械、器具、消耗品などを取り扱う商社機能を持ち、半導体製造装置の設計・開発、製造、ソフトウェア、さらに商社機能という複合エンジニアリングで、設備に関する業務を一貫して請け負うことができるのが強みだ。機械加工も多種多様な設備を揃え、どんな加工にも対応できる。メイン3工場にはCAMセンターにて作られたNCデータが配信され、同品質を維持できる体制となっている。2020年頃からロボットシステムの構築にも乗り出した。一貫対応という強みは、北海道という地で遺憾なく発揮されている。
自社開発した高速高精度挿入装置Vmaxシリーズを始め、それぞれの半導体工場にカスタムした専用装置の開発・製造は、日本国内のみならずアメリカやマレーシアを始めとする海外へも販売している。同社は半導体工場向け、半導体装置メーカー向けという柱をそれぞれ持つことで、安定的な経営を実現。半導体業界全体が厳しい状況にあって、同社は新たな取引先からの受注も順調に伸ばしている。代表取締役の漆嵜照政氏は「ありがたいことに受注は増えています。ロボットやワークチェンジャー付きマシニングセンタを導入するなどして、機械加工工場は合理化を進めて生産能力を上げています。ですがやはり設計者が不足しているのが課題です」と話す。しかし、ピンチはチャンスだ。日本の製造業において、人手不足は普遍的な問題だ。「5年後を目標に、生産の合理化や工場のロボット化を進め、24時間無人化を実現していきます。装置の開発・製造、ソフトウェアの開発全てを行っている当社だからこそ、スピード感を持って実現できると自負しています。地元企業とも協力して推し進めていきたい」と漆嵜氏は話す。
2021年、漆嵜氏は函館五稜乃蔵を設立し、函館市内では54年振りとなる地酒の製造を開始した。完成した日本酒は各所で高い評価を受けている。味の部分は杜氏に一任しながらも、醸造タンクは自社製造。異業種とは言え、ものを作って売るという意味では同じ。製造業の基本的な考えをどんどん導入していく考えだ。メデックの名前を知ってもらえるというメリットもある。今後は函館市内の企業とコラボして新商品の開発も進めている。漆嵜氏は楽しそうに語った。「母校である函館高専など、産学官連携してさらに北海道を盛り上げていきたい」。