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半導体産業を支える精密技術―ニデックオーケーケーのターンキーと自動化が切り拓く新たな可能性

半導体産業を支える精密技術―ニデックオーケーケーのターンキーと自動化が切り拓く新たな可能性

ニデックオーケーケー株式会社
執行役員/マシニングセンタ事業部長 法山 敬一 氏

掲載企業ニデックオーケーケー株式会社

従業員数

約550人(連結)

 ニデックグループにおいて工作機械事業で重要な役割を担うニデックオーケーケー株式会社は、創業100年に上る歴史あるメーカーである。同社は1915年に大阪市内で渦巻ポンプメーカーとして創業。その後、株式会社大阪機械工作所として工作機械の製造を開始。2015年からOKK株式会社に社名を変更。さらに2022年からニデックグループとなり現社名となった。ニデックグループ内の工作機械メーカー各社(ニデックマシンツール、TAKISAWA、PAMA)と連携しての展開にも要注目である。

 今秋のJIMTOF2024では、ニデックオーケーケーとして5軸制御立形マシニングセンタ「VB-X650」と横形マシニングセンタ「HMC500」を出展。「ターンキー」※1と「自動化」をキーワードに、機械加工現場の人手不足への対処や生産性向上を支援する。

「重切削」「高剛性」のマシニングセンタ

 同社における主力の1つである5軸制御マシニングセンタは、「重切削」「高剛性」が自慢だ。これまで国内外のジョブショップ※2系工場に愛される名機の数々を生み出してきた。「一般に、切削加工のニーズのボリュームゾーンはアルミ切削である。我々はそこから一線を画して高硬度材の切削に特化してきました」とニデックオーケーケー株式会社 執行役員でマシニングセンタ事業部長の法山敬一氏は話す。そうした仕様が多種多様な材料での加工に対応するジョブショップ系工場に重宝されているのだという。

 同社が5軸制御のマシニングセンタ製造に参入した2000年代は複雑な形状の加工に特化した使い方が主流であった。ところが「最近は、5軸制御のマシニングセンタに求められる役割が変化しました」と法山氏は言う。「従来は立形マシニングセンタが担っていた比較的単純な部品も含めて、5軸マシニングセンタに任せることが増えています」。国内外において、製造業の働き手不足が加速していることがその背景としてあるという。機械に、極力長い時間作業を任せるためである。そうした背景から、5軸マシニングセンタの売り上げが伸びているという。

脆性材料の複雑研削に適するグラインディングセンタ

 ニデックオーケーケーは、国内有数のグラインディングセンタ(研削加工仕様のマシニングセンタ)のメーカーとしても知られている。1980年代から市場投入した同社のグラインディングセンタはダイヤモンド砥石やCBN砥石を装着しての高硬度材や脆性材加工を得意とする。

 多方向から研削を行うという仕様のため、切屑やスラッジ(沈殿物)の処理、研削液を利用するため防錆(ぼうせい)処理が必要で同社ではこうした用途における課題対処に特化したクーラント処理システムを独自開発。優れた精度での高効率な作業や、安定稼働・高寿命を実現している。

 「研削も、クーラントの機能も、40年の歴史の中で顧客要望に細やかに応えながら、試行錯誤しながら発展させてきました」と法山氏。それは一朝一夕では得られることがない、重厚な知恵と技術の塊だ。グラインディングセンタによる細やかな研削は、ガラスやアルミナなど脆性材料の複雑な形状加工に適しており、半導体装置部品の加工でも活躍しているという。法山氏は、「今後、ますます高まるだろう半導体需要にグラインディングセンタでお客様に貢献していきたいです」と語った。

※ 1 ターンキー(turnkey):自動車の納車のように、「キーを回せば、使える状態」にして機械を引き渡すこと。
※ 2 特定の製品ではなく、顧客の多様な注文に応じて様々な部品や製品を小ロットで製造する工場のこと。

製品情報

  • ニデックオーケーケー NIDEC OKK  加工動画 0001

  • 高速加工 省フロアスペース 5軸制御マシニングセンタ「VB-Xシリーズ」

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