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板金と機械組立を両立。装置まるごと配線も含め完成品で納品!

板金と機械組立を両立。装置まるごと配線も含め完成品で納品!

株式会社共進(福島県いわき市)

掲載企業株式会社共進

主要3品目
  • 搬送機器関連装置の組立事業
  • 製缶・板金部品の製作
  • 食品関係装置組立事業
従業員数
19 人

 株式会社共進は「装置まるごと製作所」をうたい文句にしている。板金部品製造の会社でありながら、「筐体のみ」や「半完成品」ではなく、機械組立を行い完成品状態で納品できることが強みだ。同社が主に扱うのは、半導体や食品関連などの産業用装置。もともと機械組立がメインで始まり、後から板金部品製造や塗装の内製を始めたという経緯があった。設計部門は持たないが、客先から支給される数十~百枚という大量の図面をもとに、短納期で仕上げられるのは、長く機械組立を行ってきたからこそ持つノウハウなのだ。客先は図面を支給するだけで、部品管理の煩わしさから解放され、管理費の削減にも貢献するというわけだ。

 同社は現在、新たな工場設備や生産管理システムの導入に取り組んでいる。板金を始めとする製造業であっても、これからの時代、情報のクラウド化やデータの一元化による効率化とスピードアップが肝要となってくる。「これからは、働く場所にこだわらない時代になる」― 代表取締役社長の伊藤 潤一氏が見据えるのは、「製造業の未来」だ。ロボットのプログラミングなどの付帯作業は、データがクラウド化さえされていれば、どこにいても行える。営業活動や客先とのやり取りの方法もどんどん変化している。

 実際にモノに触れること、人と人が直接顔を合わせること。そうした大切な部分は維持しつつも、変化に対応していかなくてはならない。そこで同社は、製造業向けIoTシステムを開発・販売する株式会社アルファTKGと協力しソフトウェアを開発中だという。1台からの試作を得意としているからこそ、さらなるスピードアップと効率的な生産管理を目指し、「新しい働き方」や「新しい製造業のあり方」を突き詰めていく。

 同社は板金事業としては後発だからこそ特殊な溶接にも力を入れている。例えば、板厚10tなどの厚物溶接と、板厚0.2t~0.1tで溶接個所が長く歪みやすい薄物溶接という両極端な2種の溶接を行っている。ファイバーレーザー溶接機も導入しており、歪みにくく、かつスピーディに対応できる。新規導入を進めているソフトウェアではこのファイバーレーザー溶接機と協働ロボットと組み合わせることも視野に入れているという。

 変化しているのは工場の中だけではない。現在、板金部品は国内調達が主だが、海外からの安価な部品が入ってくる可能性もある。機械加工品など海外の協力工場とのやりとりも多く、機械組立から板金業界に参入したからこそ伊藤氏には危機感がある。工作機械も大手だけでなく次々と新しいメーカーが参入し、業界内の勢力図にも変化が見られる。

 製造業はいま、新しい時代へ移る過渡期にある。その中で中小企業がどのように自社の強みを生かし、求める会社とマッチングしていくのか。共進は「つくるをつくる会社」として、製造業を支える方法を模索していく。

掲載会社情報

株式会社共進

株式会社共進

所在地
〒979-3121福島県いわき市小川町西小川字北反 3
TEL
0246-83-2627
FAX
0246-83-2621

製品情報

  • ステンレス製制御盤

  • アルミ縞鋼板(A5052)-3.0t切断加工

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