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金型部品加工で培った極細ピンで医療機器分野に挑戦

金型部品加工で培った極細ピンで医療機器分野に挑戦

株式会社タカノ(群馬県太田市)

掲載企業株式会社タカノ

主要3品目
  • プレス金型向け特注部品

  • 医療機器向け『微細・極小径ピン』の研削加工

  • 無給油化ツール

従業員数

80人

 株式会社タカノは金型部品の製造販売を行うメーカーだ。数多くのプレス金型用部品の標準品や鋼材、消耗品、治具などを取り揃える。同社がオリジナルで開発した無給油化技術のほか、特注品にも力を入れている。商社とメーカー両方の機能を持ち合わせ、大手メーカーにはない小回りの良さと、社内で一貫生産できる設備と加工技術力で、プレス金型メーカーを支えているのだ。

 しかし、金型業界は現在厳しい状況にある。金型部品は価格競争も厳しく、このままではいけないという焦りがあった。そこで同社は金型部品加工で培った技術を用いて、新たなチャレンジを始めている。金属を細く長く高精度に研削する技術でφ0.05mmという極小径ピンを研削加工。これらは本来、微細成形向けに開発されたものだが、展示会への出展を経て、代表取締役の高野英治氏が手応えを感じたのが、医療機器分野であった。

 一口に医療分野と言ってもその種類や業種は実に多岐に渡る。まったく初めての分野・業界に飛び込む上で、初めから勝算やターゲットがあったわけでもない。展示会に社長自らが立って情報収集し、ニーズの汲み取りや営業活動を行うことで、少しずつ道筋を作っていったのだ。「異業種の展示会には、今できるかできないかではなく、これからできることのヒントを集めるために出ているので、社員任せではなく自分自身が立つようにしています」と高野氏。展示会で知り合った企業から図面をもらって研究開発を行うことで知識やノウハウを蓄積。徐々に取引先も増え、現在ではカテーテルなどの医療機器を製造する上で使用される治具やコアピン、ゲージなどの用途に、同社の製品が使われるようになった。

 だがまだまだ医療機器分野が会社の大きな柱になったわけではない。すでに技術が確立しているところではなく、お困りごとに対し自社のコア技術を用いてさらに新たな提案ができないかを日々模索している。

 同社は自社WEBサイトからの問合せも多いが、さらにエミダスのソーシャルサービスを活用して同社の「尖った技術」に引っかかってもらうための施策を行っていく予定だ。自社の体制も見積もりの自動化などDX化を進めるなど改革を行っている。高野氏は言う。「医療分野が柱になれば、新たな設備を取り入れるなど金属部品加工にも生かすことができるかもしれません。金型だけにこだわらず、どんどん新しいことにチャレンジしていきたいです」。

代表取締役 高野 英治 氏

製品情報

  • 極細穴付き肉厚小径ピン 内径0.7×外径max3.0

  •  【微細・極小径ピン】の小ロット受注 極小径×長尺加工追及試作 粉末ハイス鋼

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