
業界特別企画

ENDO VIETNAM CO.,LTD.
掲載企業ENDO VIETNAM CO.,LTD.
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主要3品目
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リニアガイド関連部品加工,産業用ロボット部品加工,半導体関連
リニアガイド関連部品加工
産業用ロボット部品加工
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従業員数
260人
ENDOベトナムは、2012年に遠藤製作所(山形県山形市)の全額出資で設立され、翌年から稼働を開始した。現在はハノイのタンロン工業団地に2棟の工場を構え、鋼・ステンレス・アルミ・銅など多様な素材に対応した精密切削加工を行っている。日本品質とベトナム生産の利点を両立させた体制が強みだ。FBCハノイには今年も出展予定で、豊富な実績をもとに新たな市場との接点の拡大を目指す。
徹底した管理システムで高品質を実現
ENDOベトナムは、マシニングセンタによる高精度な量産加工を強みとし、リニアガイド用ハウジングや産業用インクジェットプリンタのヘッド部品を主力製品としている。なかでも、わずかな誤差も許されないリニアガイドは、同社の技術力を象徴する代表製品だ。
リニアガイドは、機械部品やワークがスムーズかつ高精度に直線移動できるようにする装置。摩擦の少なさと高い位置決め精度を兼ね備えたENDOベトナムのリニアガイドは、工作機械をはじめ、半導体製造装置や医療機器など、高度な精度が求められる分野で幅広く採用されている。
営業部門を統括するファム・ゴック・ルオン氏は「マシニングセンタは63台稼働しており、平面度や平行度は±10マイクロン以下、場合によっては4~5マイクロンの精度にも対応可能です」と話す。加工精度の高さに加え、全数目視検査や顕微鏡による外観管理など、品質保証体制も徹底しているため、顧客からの信頼は厚い。
「工場見学に訪れたお客様からは、先進的な管理システムと迅速な対応が高く評価されています」
従業員は約290名で、日本人は社長と生産本部長の2名のみ。技術管理から営業対応まで、現地スタッフが主体となって工場運営を支えている。
第1工場では日本本社の生産支援を担い、第2工場ではリニアガイドやハウジングなどの量産品を中心に生産。売上の約7割が日本向け、1割が米国向け、残りはベトナム国内の日系企業向けだ。
「品質は日本基準、コストはベトナムの競争力。その両立が私たちの強みです」

技術連携と人材育成、現地主体のものづくり
ルオン氏は、現地化と品質の両立こそが自社の競争力だと語る。日本本社との技術連携は密接で、若手スタッフの中には日本で1~2年の実務経験を積み、現場に戻ってスキルを発揮する者も少なくない。
「本社とは日々連絡を取り合い、問題があれば即座に協議して対応しています。技術的な提案や検討も双方で積極的に行っています」
こうした日常的な連携を通じ、ベトナム人スタッフが主体となって品質と生産性を高める文化が根付いた。技能の継承や改善提案も社内で活発に行われており、「本社主導」ではなく「現地主導」の製造体制が確立されている点が、同社の大きな強みとなっている。
展示会を起点に広がる可能性
ENDOベトナムは今年5月、FBCバンコクに初出展。現地では45社以上にアプローチし、複数の企業から見積もり依頼を獲得した。これまでにない市場との接点が生まれ、海外展開への足がかりとなった。
9月に開催されるFBCハノイへの出展もすでに決定している。同社は毎年このイベントに参加しており、世界各国の企業が集う場として、海外顧客との新たな出会いを重視している。
「FBCハノイでは、リニアガイド用ハウジングとインクジェットプリンタのヘッド部品を重点的にアピールします。どちらも10年以上の量産実績があり、精度と対応の速さにも自信があります」と話す。
今後はロボットや医療機器向け部品の分野への参入も視野に入れる。かつて実績のあった分野であり、近年は扱っていなかったが、「最近、ロボットや医療関連の見積もり依頼が増えており、開発の再開を検討しています」と述べる。
ベトナム生産の強みを最大限に活かしつつ、日本品質に応える体制を貫くENDOベトナムは、グローバル市場で確かな信頼を獲得してきた。FBCハノイでの出会いが、次なる成長の扉を開くことになるだろう。
