
業界特別企画
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続かない、育たない海外人材に疲れた製造業が見直すべき採用の考え方

ITMグループ会長、チャン・アイン・チュン氏。制度の違いだけにとらわれず、“受け入れ方”と“育て方”にこだわって、20年以上にわたり外国人材の支援を続けている。
掲載企業ITMグループ
“辞めない採用”へ。
「外国人材受け入れチェックリスト(無料)」を公開中。
- 技能実習・特定技能・技人国・インターンなど、主な在留資格制度の比較表
- 採用前に整えておくべき契約・体制・受け入れ準備のチェックリスト
- ITMの支援範囲も明記

最近、NCネットワークの営業現場でよく聞く言葉があります。
「若手が採れない」「採っても続かない」「外国人材も検討しているが、制度が複雑でよく分からない」——。
人材に関するこうした声が、全国の中小製造業の現場で以前にも増して聞かれるようになっています。
そうしたなか注目されているのが、技能実習、特定技能、技術・人文知識・国際業務(以下:技人国)といった在留資格制度を活用した外国人材の受け入れです。
しかし実際には、「制度の違いは理解しているつもりでも、うちにはどれが合うのか分からない」「同じ制度でも、うまくいっている会社とそうでない会社があるのはなぜ?」といった戸惑いの声も少なくありません。
今回、私たちはその答えを探るべく、**20年以上にわたりベトナム人材の育成・紹介に携わってきたITMグループ(NCネットワークベトナムと連携するパートナー企業)**を訪ねました。
お話を伺ったのは、同グループ創業者で会長を務めるチャン・アイン・チュン氏と、かつてインターン制度で来日し、現在はITMジャパンで営業を担うグエン・ザン・ガンさん。
制度に精通し、なおかつ現場感覚を持つお二人の視点から、在留資格制度の“選び方”ではなく、“活かし方と受け入れ体制”が定着を左右するというヒントが見えてきました。
在留資格制度を「選ぶ」だけではなく、「どう活かすか」を考える時代へ
「“技能実習は教育制度だから即戦力にはならない”“技人国なら定着しやすい”」——
そうした制度に対するイメージだけで判断してしまうと、実際の現場とのミスマッチや早期離職につながることがあります。
ITMグループ会長のチャン・アイン・チュン氏は、こう語ります。
「在留資格制度そのものはあくまで“枠組み”です。
制度の違いだけを比較しても、自社の現場に合うかどうかまでは判断できません。
むしろ大切なのは、**企業の業務内容や職場環境、将来の人材活用方針にあわせて、どの制度をどう活かすかという“受け入れの設計”**を行うことなんです」
「まずインターンから」──ミスマッチを防ぐ一つの方法
ITMでは、企業の採用目的や職種に応じて、在留資格の使い方と受け入れ手法を提案しています。
その一つが、大学在学中の学生をインターンとして短期間受け入れ、評価を踏まえて正式採用(技人国ビザ)へとつなげる仕組みです。
この方法の最大のメリットは、実際に働いてから本採用を判断できるという点です。
「いきなり採る」のではなく、「見てから採る」ことができるため、配属後のミスマッチを大きく減らすことができます。
自ら制度を経験し、今は企業を支える立場に

「私は大学生のときにインターンとして日本に来て、その後、技人国ビザに切り替えて入社しました。
現場での経験があったことで、最初から安心して仕事に入れました」
今ではガンさん自身が企業の相談窓口となり、「制度を理解していて、現場経験もある」営業担当として、日本企業から高い信頼を得ています。
「“制度の名前”だけではなく、“どう受け入れ、どう育てるか”まで考えてくださる企業様だと、やはり定着率も高くなります」
「辞めない外国人材」は、すでに現場で大活躍している
✅ 橋本精密工業株式会社:海外拠点と連動した「辞めない採用」の成功事例。

ITMの支援を受けて、外国人材の長期的な定着に成功している企業をご紹介します。
薄板精密プレス加工の分野で高い技術力を持つ橋本精密工業株式会社(代表取締役:橋本靖久氏)は、まさにその好例です。
国内では本社を東京に構え、生産拠点を茨城県に置き、中国とベトナム(ハノイ)にも海外拠点を展開する同社は、ITMとのパートナーシップのもと、**「日本での技能実習 → 帰国後の現地法人でのマネジメント職への登用」**という、明確なキャリアパスを持つ人材育成戦略を構築しました。
このプログラムでは、実習生は日本滞在中に:
- ビジネスレベルの日本語能力
- 日本式の品質管理ノウハウ
- 薄板精密プレス加工の専門技術
を体系的に習得していきます。
現在、ベトナム現地法人では、日本での実習を修了した人材が製造現場や品質管理部門の要職に就き、日本仕込みの技術とマネジメント手法で現地スタッフをリードしています。
「日本で身につけた技能と日本語力、そして日本式の仕事の進め方が、現地チームとの信頼関係構築に大きく役立っています」 (ベトナム現地法人リーダー:グエン・ヒュー・トゥック氏)
橋本社長の「将来の現地リーダー育成」という長期ビジョンと、ITMの体系的な支援プログラムが見事に融合した結果、単なる人手不足解消ではなく、真のグローバル人材育成という成果を生み出しています。
この事例は、外国人材を「一時的な労働力」としてではなく、「将来の組織の中核を担う人材」として育成する、新たな外国人材活用モデルを示しています。
配属後こそ重要。ITMの定着支援体制

ITMは「採用して終わり」ではなく、配属後の支援にも重点を置いています。
インターン制度で来日し、その後技人国ビザで就職。いまはITMの営業担当として、かつての自分と同じような人材を企業に紹介しているグエン・ザン・ガンさん。 この仕組みの好事例が、現在ITMジャパンで営業担当を務めるグエン・ザン・ガンさんです。
- 出国前の語学・マナー・業務教育
- 配属後の通訳・生活支援・定期面談
- 在留資格の変更や更新にも対応
こうした体制により、「辞めない仕組み」を企業と一緒に構築しています。
「制度や法律を知っているだけではなく、配属後に何が起きるかも想定して支援する。だからこそ“続く”採用につながっていると思います」(グエン・ザン・ガンさん)
制度は変わる。だからこそ、変化に強い受け入れ設計が重要
2027年には、これまで分かれていた「技能実習」と「特定技能」を統合した**新たな在留資格制度「育成就労制度」**の導入が予定されています。対象職種や支援義務の見直しが進む中、「制度を知っている」だけでは通用しにくくなる場面も出てくるでしょう。
「私たちITMでは、制度改正の動向も随時把握しながら、企業ごとの業種や人材戦略に応じて、導入や変更のサポートができる体制を整えています」
(チャン・アイン・チュン会長)
だからこそ今、制度の“違い”を比較するだけでなく、“どう受け入れて育てていくか”まで含めた導入設計が、企業にとって不可欠になりつつあるのです。
“辞めない採用”へ。
「外国人材受け入れチェックリスト(無料)」を公開中。
- 技能実習・特定技能・技人国・インターンなど、主な在留資格制度の比較表
- 採用前に整えておくべき契約・体制・受け入れ準備のチェックリスト
- ITMの支援範囲も明記

「外国人採用、“どう準備すればいいか”が分からない」
そんな企業様にこそ、一度立ち止まってチェックいただきたい内容です。