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大物金型で“職人の手仕事”レベルの高精度を実現するワイヤ放電加工機に刮目

大物金型で“職人の手仕事”レベルの高精度を実現するワイヤ放電加工機に刮目

西部電機株式会社
上席執行役員 精密機械事業部 事業部長 松下 和宏 氏

掲載企業西部電機株式会社

従業員数

535 名(連結 591 名)

年間売上高
284億 7800万円

± 1 μ m のピッチ加工精度のワイヤ放電加工機―MM50UP / MM75UP

 西部電機株式会社(Seibu)のワイヤ放電加工機『Mシリーズ』は、日本の伝統技術である「きさげ」がコンセプトになっており、まるで職人の手仕事のようなサブミクロン単位の加工精度が自慢だ。「特に、プレート加工のピッチ精度に強みがあります」と上席執行役員/精密機械事業部事業部長の松下和宏氏は言う。

 同社では、最近の「精密プレス金型の大型化」という流れを受け、ロングストロークでの高いピッチ精度の追求に取り組んでいた。そして満を持して、それを具現化。±1μmのピッチ加工精度を誇るSeibuの水仕様ワイヤ放電加工機『MM50UP』のストローク長は500mm(各軸移動量X×Y×Zで500×400×310 mm)であったが、『MM75UP』のストローク長はさらに750mm(各軸移動量X×Y×Zで750×500×310 mm)にまで拡張。同時に±1μmのピッチ加工精度も実現している。今秋のJIMTOF2024は、MM50UP とともにMM75UPも披露する。

EV 用バッテリーケースの冷間鍛造金型を支える高精密内面研削盤―SFG-35HP

 切削と研削のハイブリッド加工に対応する、Seibuの高精密自由形状内面研削盤『SFG-35HP』は、職人の「みがき」レベルの面精度が確保できる。また汎用の円筒研削盤の加工精度の約10分の1である0.1μmレベルの真円度と平面度が出せる。SFG-35HPでは、精密加工の際に型彫り放電をした後に手仕上げを施すまでの工程が1台で自動化可能だ。「特にEVのバッテリーケースなどの冷間鍛造金型に関わるお客様に注目していただいている」と松下氏。その他に、光学系の精密金型加工に関わる顧客からも評判であるという。

 さらに全ての同社製ワイヤ放電加工機に搭載しているNCシステム『SmartNC 』には 、加 工 条 件 設 定 の サ ポ ート機能『CC-Support』、簡易操作アシスト機能『So-Assist』を実装。現場の省人化や人材育成支援を支援する。なおJIMTOF2024でのSFG-35HPの展示では、このSo-Assistの紹介を交えながら、研削盤の自動運転の提案を実施する。

 松下氏はJIMTOF2024出展については、「小物金型から大物金型まで幅広く対応する、非常に高精度な加工や仕上げは、どこのメーカーさんにも追従させない自信があります。ぜひ注目していただきたいです」と意気込む。

東南アジアやインドへ―もっと Seibu の名を世界へ

 Seibuは2024年4月に、株式会社兼松ケージーケイと共に北米販売拠点となる合弁会社であるSeibu America Corporationを設立した。北米地域を中心とした自動車、医療、航空宇宙、エレクトロニクス、金型製造といった分野での需要を捉えて販売拡大を狙う。

 Seibuが米国と併せて市場拡大を狙うのが東南アジアとインドだ。今後は、ベトナムホーチミン市内に営業所設立を予定しており、それを布石としてベトナム、タイ、インドネシア、インドと市場を広げていく計画である。

 今回のJIMTOF2024でも、2022年の前回開催と比べて海外からの来場者が増加すると予想されており、Seibuとしても「これまで通り中国のお客様に加え、東南アジアのお客様に対するアピールにも力を入れたいと考えています」と松下氏は語る。

掲載会社情報

西部電機株式会社

西部電機株式会社

所在地
〒 811-3193 福岡県古賀市駅東 3-3-1
TEL
092-941-1509
FAX
092-941-1521

製品情報

  • 高精密自由形状 内面研削盤 SFG-35HP

  • 超精密ワイヤ放電加工機 MEX15 油仕様

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