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DXでGXを実現するMXのプラットフォームは5軸制御マシニングセンタ

DXでGXを実現するMXのプラットフォームは5軸制御マシニングセンタ

DMG森精機株式会社
執行役員 マシニングセンタ開発担当 多賀 充 氏

掲載企業DMG森精機株式会社

従業員数

1万3484人(連結)(2023年12月31日時点)

年間売上高
5395億円

MX が実現するリーンでグリーンな機械加工

 DMG森精機株式会社が提案する『マシニング・トランスフォーメーション(MX)』は 、マシニング センタなど加工機をプラットフォームとした「デジタル・トランスフォーメーション(DX)」によって 工程集約・自動化を行い、最終的にグリーン・トランスフォーメーション(GX)を目指す。

 MXでは、複数工程を1つの機械に集約する「工程集約」、人手をかけてきたワークハンドリングなどを機械が代替する「自動化」、稼働している設備からデータを収集し可視化することによる稼働監視を実施する「IoT・センシング・計測」、収集したデータを活用して予知予兆保全や消耗品の最適化やCO2排出量の削減などに取り組む「データ分析・活用」と4ステップのサイクルを回す。

高精度 5 軸制御横形マシニングセンタINH63/80 による工程集約

 MXのプラットフォームとなるのが、高 精 度5軸 制 御 横 形 マシニング センタ『INH 63』および『INH 80』で、「高精度」「生産性」「柔軟性」を特長とする。4軸から5軸に増えることで剛性が落ちるというデメリットは、「ツインボールねじの全軸採用」「スラントコラム構造」といった独自構造の採用で克服。「顧客からも、優れた加工精度と安定性について高い評価を得ている」とDMG森精機の執行役員であり、マシニングセンタ開発をリードする多賀充氏は語る。

 パレットは多数設置して自動交換可能にでき、パレット棚は工場内のレイアウトや加工数量に応じて柔軟にカスタマイズできる。ロボットを使用してワークを直接ハンドリングすることもでき、さらにロボットとツールマガジンを連携させた治具の自動交換も行える。ツールマガジンの工具収納本数は最大363本まで対応する。「工場の敷地、加工課題、予算などお客様の事情に合わせて、最適な機能を柔軟に提案できるようにしています」と多賀氏は言う。

 2022年に初登場したINH63/80は、特に欧州エリアで高い注目を集めるという。多賀氏は、「農業機械、船舶、航空宇宙、建設関係と幅広い分野で引き合いがあり、最近は半導体関連からの相談も出てきています。海外市場では、事業用大型トラック関連での納入実績もあります」と説明する。

自動化の敵「加工 3 悪」に有効なクーラントタンク

 INH63/80に標準搭載する立型大容量クーラントタンク『zero-sludgeCOOLANT pro』はスラッジや混入油を、比重差を利用して分離して効率的に回収。クーラント寿命向上や清掃頻度の大幅削減を実現する。さらに必要流量に合わせてポンプをインバーター制御することで消費電力も削減できる。「安定した自動稼働を阻害する『加工3悪(切りくず・クーラント・ミスト)』への対策が行えます。作業者の方々の負担を減らし、真の自動化を実現する上で大事な役割を担います」と多賀氏。現場の気持ちを大事にしてMXを支える周辺設備にも要注目だ。

掲載会社情報

DMG森精機株式会社

DMG森精機株式会社

所在地
〒135-0052 東京都江東区潮見2丁目3-23
TEL
03-6758-5900
FAX
0743-53-1735

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