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航空機からコネクタ業界まで 微細技術で「本物を証明するための刻印」を

航空機からコネクタ業界まで 微細技術で「本物を証明するための刻印」を

株式会社ソルテック(青森県 南津軽郡)

掲載企業株式会社ソルテック

主要3品目
  • 微細彫刻

  • 金型部品

  • 金型設計製作成形

従業員数

21人

年間売上高
2.4億円

 株式会社ソルテックを語る上で、工業用彫刻は欠かせない。現在、最小の文字サイズは0.1mmという微細・精密彫刻だ。LEDの金型やスマートフォンのコネクタなどで多く使用されている。ただ文字を彫刻するだけではない。非接触レーザー測定などを用いて、文字間隔、太さ、深さなどの寸法を測定し、精度を保証している。大手メーカーの企業ロゴなどは書体管理が非常に厳しいが、同社では書体フォーマットを持ち、すべて忠実に彫刻することができる。専属となっている企業も多い。これが他社にはない強みだ。製品の品質保証・金型管理をする上で、「本物を証明するための刻印」を行っている。同社の技術が企業ブランドを守っているのだ。WEBサイトを通じて、困っている企業から問い合わせは多く、さらに驚異的なのは9割を超えるという受注率。同社の技術はまさに唯一無二なのだ。微細彫刻が用いられる業界は広く多彩で、コネクタメーカーだけでなく航空関係からも引き合いがあるという。

 同社は彫刻だけでなく金型の部品加工も行っている。他社で加工した部品に彫刻を入れることも多いが、刻印を必要とする金型部品そのものを設計から依頼することも可能だ。微細彫刻は金型製作の最終工程にあたる。輸送時の破損リスク削減や開発スケジュールの短縮、さらに管理の手間を減らすことにも貢献している。取引先の業界は多種に渡り、自動車部品やOA機器から、食品関係にまで広がる。もちろん彫刻のない部品加工も多い。同社では金型技術・彫刻技術の研究開発を行い、新しい技術に挑戦している。顧客の難題にも真摯に取り組む。「いろいろな人と話すことで、さまざまなきっかけを得ることができます。どんどん幅を広げていきたい」と工場長の平井俊之氏は語る。

 2022年に新工場を建設し、新たに導入したのは碌々スマートテクノロジー株式会社の超高精度高速微細加工機AndroidⅡ。同社は青森県と冬場の温度環境が厳しい場所に工場を置くが、近隣に湧き出る豊富な温泉水を工場内の床暖房に利用することで、±1℃の恒温環境を整備している。今後は医療関係などの新しい分野、さらにロボットの導入などによる自動化や、工場設備のサブスクリプションなど新しいことにチャレンジしていく予定だ。また、営業力の強化を目標に掲げている。WEBからの問い合わせであっても、仕事を受ける前には必ず訪問するという。人と人が直接会うことで繋がる仕事がある。平井氏はこう続ける。「黙っていて仕事が来る時代ではありませんから」。

工場長 平井 俊之 氏
2022年に完成した新工場

製品情報

  • ソルテック彫刻カッター #精密彫刻 #刻印 #金型

  • 高精度微細切削加工 マイクロ流路試作(医療・研究用分析機器)

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